<旧統一教会に献金返すよう求める裁判 初めて最高裁で弁論> 2024年6月10日 NHK
旧統一教会の元信者や家族が、教団に支払った献金を返すよう求めた裁判の弁論が、初めて最高裁判所で開かれました。元信者がかつて「教団に返金を求めない」とする念書を書いていたことなどから、1審と2審は訴えを退けましたが、判決を変更する際に必要な弁論を開いたことから、最高裁が判断を見直す可能性があります。
焦点は 元信者が “教団に返金を求めない” と書いた念書
原告の女性は、長野県に住んでいて信者だった母親が違法な勧誘で高額な献金などをさせられたとして、母親とともに教団などに対し、1億8000万円余りの賠償を求めて、7年前に裁判を起こしました。
1審の東京地方裁判所と2審の東京高等裁判所は、母親が裁判を起こす2年前、86歳の時に「教団に返金を求めない」などとする念書を書き、動画にも収められていたことなどから訴えを退けました。
母親は裁判中に亡くなり、娘が上告していました。
10日、最高裁判所第1小法廷で弁論が開かれ、原告側は「母親は高齢で、念書を作成したおよそ半年後に認知症と診断され、十分な判断能力を持っていなかった。信者の不安や恐怖をあおったうえで献金させる行為は違法だ」などと主張しました。
一方、教団側は、「念書は有効で、元信者が自分の意思で献金したことは明らかだ。被害の認識がなかった元信者に損害賠償を求める権利があると認めるならば、すべての宗教の信者が損害賠償を請求できることになってしまう」と反論しました。
判決は7月11日に言い渡されることになりました。
教団の勧誘や献金をめぐり、最高裁で弁論が開かれたのは初めてです。
弁論は判決を変更する際に必要な手続きで、訴えを退けた判断が見直される可能性があります。
教団側提出の映像 元信者が “自分のことばで意思を表明”
教団側が裁判に提出した映像をNHKは入手しました。
映像では、教団の担当者が手元の用紙を見ながら「念書は自分の認識と一致するか」などと質問し、原告の女性の母親が「はい」と答える様子が映されています。
また、娘が教団に返金を求めていることについて問われると、「絶対やってもらったら困ると思っています」と話していました。
担当者はさらに「家庭連合に返金請求することは断じて嫌だということで手続きしたということですね」と確認し、母親は「はい」と答えていました。
1審と2審の判決では映像は母親が「返金を求めない」とする念書を書いた後、教団の施設で信者に依頼して撮影してもらったと認定され、「返金を求める意思がないことを自分のことばで述べており、やりとりや母親の様子に不審な点は見受けられない」とされました。
一方、原告側は、「訴えを起こされないようにするために地元の教団幹部らが共謀して念書を作らせ、ビデオも撮影された」として、念書の作成と映像の内容は母親の意思ではなく、無効だと主張しています。
原告女性 “母は作成強要された” “教団の念書は無効と判断を”
念書などをもとに、1審と2審で訴えを退けられている原告の女性は、「被害者のため教団の念書は基本的に無効だという判断を出してほしい」と訴えています。
原告の女性は、別居していた母親が2004年ごろから旧統一教会の信者となり、父親の資産や土地などの財産を献金していたため、母親と相談して2017年に返金を求めて一緒に訴えを起こしました。
高額献金に気付くのに時間がかかった理由について、女性は「母は口止めされていて、購入した物品などはわたしが帰省する時に教団の関係者が運び出し、教会の空き部屋に隠していた。2015年に母が打ち明けるまで気付かなかった」と述べました。
1審と2審の判決では、争点になっている念書は母親の希望で教団関係者が作成し、地元の公証役場で署名・押印したとされました。
念書には、寄付や献金は教団の職員や会員による不当な働きかけによるものではなく自由意思で行ったとされ、返還請求などをしないことを約束すると書かれています。
女性は念書について、「書いた当時、母親は86歳で、こんな言葉づかいで書くことはありえません」などとして、教団側に作成を強要されたと主張しています。
一方教団側は、「教団関係者が念書の作成を指示したことはない。母親が正常な判断で真意に基づき署名し、押印したものだ」と主張し、1審と2審はともに教団側の主張を認めました。
母親は、裁判の途中で亡くなりました。
女性は、「司法が念書についてお墨付きを与えたら、教団は多くの場面で念書を取ることが予想される。被害者のため、教団の念書は基本的に無効だという判断を出してほしい」と話していました。
弁護団 “念書は教団の防衛手段 無効の判断なら影響は大きい”
最高裁判所での弁論の後、原告の女性と弁護団が都内で会見を開きました。
原告の女性は、7月に言い渡される判決に向け、「被害を認めて、念書は無効だという正しい判断をしてほしいです。教団から念書を書かされた人を、母以外にも知っています。そうした人たちも諦めずに被害回復につなげてもらいたい」と話しました。
山口広弁護士は最高裁判決の影響について、「念書は教団にとって、組織を防衛する手段となっている。仮に最高裁が無効と判断すれば旧統一教会だけでなく、宗教団体が献金や勧誘をする場合の注意喚起にもつながる。影響は大きい」と話していました。
開廷前 傍聴希望者が長い列
最高裁判所では、弁論を傍聴しようと多くの人が集まり、長い列を作っていました。
最高裁によりますと、38席の傍聴席に対して89人が集まり、倍率は2.34倍でした。
元信者を支援している60代の男性は、「念書があることで旧統一教会からの被害に対して声を上げられない人たちがいます。無効とする判断を示して被害回復につなげてほしいです」と話していました。
一方、旧統一教会の現役信者だという60代の男性は、「1審と2審は賠償を認めない判決でしたが、最高裁判所が世論に流される判断をしないか気になって傍聴に来ました。裁判所には筋の通った判断を期待したいです」と話していました。
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👀 これは、理解力・判断力が低下した高齢の親を持つ家族にとっても極めて重要な判決になりますね。
しかし、そもそも論でいえば、フランスではカルト教団と認定されている高齢者をダマして〜
「壺を購入させたり・・・」
「高額な献金をさせたり・・・」
〜等々、オレオレ詐欺集団と変わらない犯罪教団を野放しにしていること自体が、日本の司法・警察が認知力の衰えた高齢者問題に如何に役に立たないかの証左です。
その上、一億もの献金を半年後には認知症の診断が出る(=献金当時も事実上認知症と言ってよいでしょう。)高齢者にさせること自体が、社会正義・常識から考えて”異常”です。
その上、「念書を書かせ、その様子をビデオ撮影する」など、そのこと自体が「本当は正常な判断が出来ていないから証拠作りとして行っている」ことは明らかで、悪質ですね。
↓
しかしながら、日本の司法では、一審も二審も「証拠もあるし適法な献金だよね!」だって!
もう最高裁でもダメなら、国家がこのカルト教団の献金詐欺にお墨付きを与えることになりますよ!
また、たとえ今回の判決が良い方向に進んだとしても、統一教会を始めとする新興宗教による認知力の衰えた高齢信者に対する献金詐欺が留まることはないでしょう。
高齢の認知力が衰えた親を持つご家族は、「新興宗教に対する高額献金」にはくれぐれも注意を払っておくことことが肝要です!
上記の記事のように、悪徳宗教の巧妙な手口には、日本の司法は「大岡裁き」は絶対にしてくれませんので!!
2024年06月11日
2024年05月30日
3億円寄付無効と金沢医大を提訴 患者遺族「認知機能低下に便乗」
<認知症なのに「3億円を寄付させた」 遺族が金沢医大病院側を提訴> 川辺真改 2023年4月27日 朝日新聞デジタル
東証プライム上場の大手機械メーカー「渋谷工業」(本社・金沢市)の前社長、渋谷弘利さん=2021年に90歳で死去=が入院していた金沢医科大学病院が、渋谷さんに認知症の症状があったにもかかわらず3億円を寄付させたのは公序良俗に反するとして、遺族3人が26日、同大学と当時の院長に約2億5千万円の損害賠償を求めて金沢地裁に提訴した。大学は「本学は正当な手続きを経て寄付金を受け入れている」とコメントしている。
渋谷さんは社長在任中の21年1月にサウナで倒れ、同病院に入院。退院後の2021年5月、同大学に3億円を寄付した。その後、8月に再び入院し、10月に死去した。
訴状などによると、渋谷さんには最初の入院後、大声で叫んだり、看護師の処置を拒んだりするなど認知症とみられる症状が表れていたという。さらに症状は悪化し、寄付のあった同年5月の時点で、渋谷さんの認知機能は「自分の財産を管理できない程度だった」(外部の専門医)と、遺族側は主張している。
遺族側は、渋谷さんの認知機能が低下しているにもかかわらず、主治医だった同病院の伊藤透院長(当時)が、家族への確認もなく寄付を誘ったのは公序良俗に反していると指摘。渋谷さんの意思能力を欠くため、寄付は無効だと訴えている。
渋谷さんの遺族と代理人弁護士は27日、金沢市内で会見を開いた。原告の一人、渋谷さんの長女・毛利貴和(きわ)さん(62)によると、渋谷さんにはすでに多額の借り入れがあったにもかかわらず、大学に3億円を寄付。遺族が約2億円の借金を返済しなければならないという。毛利さんは、大学側が家族に相談なく多額の寄付を募ったのは、「極めて異常だ」と語気を強めた。
遺族の代理人弁護士は、渋谷さんの病状に乗じて病院が寄付を募ったとして、「準詐欺罪にも該当しうる」と述べ、民事訴訟の推移しだいでは刑事告発も検討するとした。
遺族と大学は昨年3月から民事調停で協議を重ねてきた。遺族側によると、大学側は、渋谷さんから寄付の申し出があり、個人の意思に基づくと主張。寄付された21年5月の時点で渋谷さんが認知症だったとの証明がないとして、返還には応じなかったという。協議は、昨年8月に決裂した。
金沢医科大学は、取材に対して「訴状が届いておらず、コメントは差し控える。訴状の内容を確認してから対応したい」と回答した。
渋谷工業は1931年創業のボトリング機械などを手がける機械メーカー。前社長の渋谷さんは、馳浩・石川県知事の連合後援会長を務めるなど、地元財界の有力人物だった。(川辺真改)
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👀 続報が無いので最終的にこの訴訟が、どのような結果になるかは分かりませんが・・・
心情的には、遺族側の気持ちが痛いほどわかりますね。
このブログで延々と取り上げているように、現在、理解力・判断力の衰えた高齢者をターゲットとして、虎視眈々とありとあらゆる輩が狙っています。
オレオレ詐欺のような特殊詐欺を行う犯罪者はもちろんですが・・・
高齢者の家族を悩ますのは、ありとあらゆるビジネスが手ぐすね引いてやってくることです。
リフォーム業者、健康食品、介護施設の売り込み、金融機関…etc
ついには、上記の記事のように入院している病院まで・・・
いよいよ世も末ですな!
ボケ始めた高齢者のご家族は、このような記事を他人事と思わず“気を引き締めて”いかないと同じ穴のムジナとなってしまいますよ!
東証プライム上場の大手機械メーカー「渋谷工業」(本社・金沢市)の前社長、渋谷弘利さん=2021年に90歳で死去=が入院していた金沢医科大学病院が、渋谷さんに認知症の症状があったにもかかわらず3億円を寄付させたのは公序良俗に反するとして、遺族3人が26日、同大学と当時の院長に約2億5千万円の損害賠償を求めて金沢地裁に提訴した。大学は「本学は正当な手続きを経て寄付金を受け入れている」とコメントしている。
渋谷さんは社長在任中の21年1月にサウナで倒れ、同病院に入院。退院後の2021年5月、同大学に3億円を寄付した。その後、8月に再び入院し、10月に死去した。
訴状などによると、渋谷さんには最初の入院後、大声で叫んだり、看護師の処置を拒んだりするなど認知症とみられる症状が表れていたという。さらに症状は悪化し、寄付のあった同年5月の時点で、渋谷さんの認知機能は「自分の財産を管理できない程度だった」(外部の専門医)と、遺族側は主張している。
遺族側は、渋谷さんの認知機能が低下しているにもかかわらず、主治医だった同病院の伊藤透院長(当時)が、家族への確認もなく寄付を誘ったのは公序良俗に反していると指摘。渋谷さんの意思能力を欠くため、寄付は無効だと訴えている。
渋谷さんの遺族と代理人弁護士は27日、金沢市内で会見を開いた。原告の一人、渋谷さんの長女・毛利貴和(きわ)さん(62)によると、渋谷さんにはすでに多額の借り入れがあったにもかかわらず、大学に3億円を寄付。遺族が約2億円の借金を返済しなければならないという。毛利さんは、大学側が家族に相談なく多額の寄付を募ったのは、「極めて異常だ」と語気を強めた。
遺族の代理人弁護士は、渋谷さんの病状に乗じて病院が寄付を募ったとして、「準詐欺罪にも該当しうる」と述べ、民事訴訟の推移しだいでは刑事告発も検討するとした。
遺族と大学は昨年3月から民事調停で協議を重ねてきた。遺族側によると、大学側は、渋谷さんから寄付の申し出があり、個人の意思に基づくと主張。寄付された21年5月の時点で渋谷さんが認知症だったとの証明がないとして、返還には応じなかったという。協議は、昨年8月に決裂した。
金沢医科大学は、取材に対して「訴状が届いておらず、コメントは差し控える。訴状の内容を確認してから対応したい」と回答した。
渋谷工業は1931年創業のボトリング機械などを手がける機械メーカー。前社長の渋谷さんは、馳浩・石川県知事の連合後援会長を務めるなど、地元財界の有力人物だった。(川辺真改)
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👀 続報が無いので最終的にこの訴訟が、どのような結果になるかは分かりませんが・・・
心情的には、遺族側の気持ちが痛いほどわかりますね。
このブログで延々と取り上げているように、現在、理解力・判断力の衰えた高齢者をターゲットとして、虎視眈々とありとあらゆる輩が狙っています。
オレオレ詐欺のような特殊詐欺を行う犯罪者はもちろんですが・・・
高齢者の家族を悩ますのは、ありとあらゆるビジネスが手ぐすね引いてやってくることです。
リフォーム業者、健康食品、介護施設の売り込み、金融機関…etc
ついには、上記の記事のように入院している病院まで・・・
いよいよ世も末ですな!
ボケ始めた高齢者のご家族は、このような記事を他人事と思わず“気を引き締めて”いかないと同じ穴のムジナとなってしまいますよ!
2024年05月24日
認知症の親を持つ家族は、高齢で認知症の運転問題について正しい認識を持っておきましょう!
<認知症の症状、車の鍵も取り上げたのに… 免許返納を拒んだ90歳父が交通事故も「俺は悪くない」そして要介護に 家族の苦悩> 2024/5/22 まいどなニュース
75歳以上の高齢者運転による死亡事故は、内閣府のデータによると、ハンドルやブレーキなどの操作ミスが28%と高い割合を占めます。そのため日本では、報道などでも特集されることが多い高齢ドライバーの事故予防として、運転に不安を感じる人が自主的に運転免許証を返納する「自主返納」の制度を呼びかけています。しかし免許返納をすることなく車を運転し続け、悲しい事故を起こしてしまうことも少なくありません。
そんな悲しい事故のひとつとして、免許返納を家族から促されつつも、かたくなに返納を拒否した結果、交通事故を起こしてしまった90歳男性について、その家族から話を伺いました。 彼の家族構成は、65歳の息子とその妻(63歳)の3人暮らしで、彼は認知症の症状が出始めていたことから、息子夫婦から何度も免許を返納するよう促されていました。しかし彼は昔ながらの頑固な性格から首を縦に振らず、息子夫婦は困り果てていたそうです。その後、彼が交通事故を起こしてしまうまでの詳しい状況を息子さんに教えていただきました。 ――お父様はどれくらい運転が危ない状態だったのでしょうか。 90代の父親は昔ながらの強気な性格の人で、「俺は大丈夫」と言ってかたくなに免許返納を拒んでいました。けれど実際は物覚えが悪くなり足腰も弱くなっていて、運転している様子はとても見ていられないくらい危なっかしい様子だったのです。あまりにも危険だったので私が車の鍵を預かって運転させないようにしていました。 ――普段は運転させないようにしていたのに、なぜ交通事故は起きてしまったのですか。 ある日、私が外出中に車を運転したことが原因です。車の鍵は私と妻の寝室の貴重品入れに隠していたのですが、探し出されてしまいました。今となって思うのは、外出時でも車の鍵を持ち歩くべきでした…。 ――事故の事実を知ったのはいつでしたか? 警察からの電話で知りました。「人をひいたので来てほしい。酒を飲んでいるようだ」と言われました。慌てて現場に行くと、へらへらと笑いながら警察官と話す父の姿と、ミラーが無くなった車がありました。 ――本人はご無事だったのですね。どのような事故だったのでしょうか? 歩道のない道路で、歩行者が歩く部分を走行してしまい、対向して歩いてくる歩行者の身体にぶつかってしまったようです。酒気も帯びていましたが父は「俺はスピードを出していない。向こうが寄ってきた。酒は少し飲んだだけ」と言い訳ばかりで悪びれない様子に、心底腹がたって怒鳴ってしまいました。 ドライブレコーダーを見ると、明らかに父が歩行者寄りで走っていて、スピードは60キロくらい出ているようでした。ドライブレコーダーを見ても父は「俺は悪くない」と認めません。そのため認知症を疑われましたが、数値としては悪くなく、結果として相手方は左腕骨折で長期入院、父は100万円の罰金を命じられました。 ――鍵の管理など対策をしていても、人身事故の発生を避けられなかったのですね。 相手方が私の息子の所属する野球チームの関係者だと判明し、謝罪に伺った際にはひどく叱られました。また、息子もチームに居づらくなり移籍することになり、免許を返納しなかったために、息子にも迷惑がかかってしまいました。 ――最終的には、どのような解決となりましたか? この事故を機に免許を返納させ、車を売って罰金を支払わせました。私は何度も警察署や検察庁、相手方のお見舞いなどに行き会社を休んだため、みなの知るところになり、社内でも居心地が悪くなりました。この事故をきっかけに父は弱り、急に年老いて完全に歩けなくなりました。正直なところ、迷惑をかけておいて急に介護が必要となっても、私も妻も看る気になれないのが本音です。 ――免許返納の話し合いは、何歳ごろから何回程度されましたか? 父が65歳になったころから私が父の代わりに運転するようにしていました。しかし父が70歳のころに母が他界し、寂しくなったのか再び車で出かけるようになったのです。 80歳を超えたころから認知症が出はじめ、それをきっかけに返納について何度も話すようになりましたが、その話をすると怒り出すので話し合いにもなりませんでした。何度も話したので回数はわからないほどです。 ――事故後の免許返納について、本人は納得されましたか? 最後まで納得していませんでした。車を売りましたので、乗り物がなければ持っていても仕方ないと観念しただけでした。 免許返納は本人が納得しない場合、解決が困難な問題です。また、免許返納の落胆による認知症や、うつ病の対策にも配慮する必要があります。しかし人身事故に発展する可能性もあるため、車の売却など強制的に運転できない状況を作る事も選択肢になるといえるでしょう。 (まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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👀 高齢認知症ドライバーに関する現実を伝えてくれる稀な記事ですので、理解力・判断力の衰えた高齢な親を持つご家族はよく読んでおいた方が良いですね!
日頃高齢ドライバーについて、テレビやネットのニュースなどでは〜
「免許返納が増加・・・」
「高齢者の免許の更新時に認知症の検査が導入・・・」
〜といった話題が大きく取り上げられ、それだけ聞いていると〜
「高齢者の運転問題もドンドン対策が進んでいるね・・・」
「うちの親も理解力・判断力が落ちたら免許は更新されないだろう・・・」
〜などと思ってしまいがちです。
しかしながら、大きく取り上げられる「免許返納」も「免許更新時の認知力の検査」も高齢者の免許保有者(ドライバー)全体から見れば、
その対象となるのは、重症な認知症者であり、ごく僅かです。
👀 「これが現実」
↓
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<「認知症のおそれがある」判定の高齢者、65%免許返上> 朝日新聞DIJITAL 2019年5月22日
認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定された75歳以上のドライバーのうち、最終的に医師に認知症と診断され運転免許証が取り消し・停止になったのは昨年、5・0%にあたる1932人だった。ほかに、判定後に自主返納したり更新せず失効させたりした人を含めると、65・1%が免許の継続を断念していた。警察庁が21日、状況をまとめた。
認知機能検査では、「認知症のおそれがある」第1分類、「認知機能低下のおそれがある」第2分類、「低下のおそれがない」第3分類のどれかに判定される。高齢ドライバーによる交通事故の対策として、認知機能検査を強化する改正道路交通法が2017年3月に施行した。従来、75歳以上の人は免許更新時に検査を受けていたが、一時不停止や信号無視、逆走など一定の違反をした人にも臨時の検査が義務づけられた。
18年は約216万5千人が検査を受け、2・5%の約5万4千人が第1分類と判定されている。
警察庁は、第1分類と判定された人(17〜18年)で18年1年間に免許の扱いが決まった3万9025人の処分結果をまとめた。それによると、1932人が取り消し・停止となったほか、45・5%の1万7775人が自主返納、14・6%の5706人が失効させた。
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👀 2017年3月から道交法が改正され、従前より免許更新時の高齢者認知機能チェックが厳しくなりました。
上記の記事では法改正後、2年での変化を取り上げています。
私も自分の親の高齢運転問題に直面する前であれば、このようなニュースを聞いたら〜
「お上もいろいろ考えて手を打っているいるね・・・」
「これで親が高齢になっても運転免許に関しては、問題ないね・・・」
〜などと、気楽に考えていたことでしょう。
しかしながら、実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、今回の道交法改正での結果を妄信せず、自分の親の高齢運転問題への対処について十分留意しておくことが肝要です。
もう少し具体的に、分かり易く言うと〜
「ウチの親も認知症という診断も出たし、次の免許更新時の高齢者認知機能チェックではキット免許取消になるわね・・・」
〜と思い込まないことです。
期待通りになるかもしれませんが、ならない可能性が圧倒的に高いですから!
まず第一に、上記の記事にもあるように〜
「 18年は約216万5千人が検査を受け、2・5%の約5万4千人が第1分類と判定されている。
警察庁は、第1分類と判定された人(17〜18年)で18年1年間に免許の扱いが決まった3万9025人の処分結果をまとめた。それによると、1932人が取り消し・停止となったほか、45・5%の1万7775人が自主返納、14・6%の5706人が失効させた。」
〜つまり、5万4千人/216万5千人 ≒ 2.5% 75歳以上の免許更新者と考えると・・・そもそも「2.5%」しか第1分類になりません。実際、更新できない人はごく僅かです。
(巷間では、65歳以上でも「7人に1人は認知症(約14%)」と言われているのに・・・)
あなたの親御さんが”認知症”と診断が出ていても、よほど認知症が悪化していない限り「第一分類」にならないと思っておいた方が良いと思います。
認知機能チェックが厳しくなったとはいえ・・・75歳以上の免許更新者の「97.5%」(100-2.5%)は、問題なく免許更新できるということは覚えておきましょう!
もし、親御さんが認知症の診断を受けていて、免許更新を運転をやめさせるキッカケにしたいなら、75歳以上の免許更新時認知機能チェックに過剰な期待をしてはいけません。
警察や免許試験場と相談をして確実に更新できない対策をとることをお勧めします。
そうでないと「認知症だから年許更新は出来ないだろう」と希望的観測で考えているとかなりの確率で「更新」出来てしまいます。
更新できてしまうと・・・高齢の親にとっては「まだ、お上も運転して良い!と言ってくれとる!!」とお墨付きをもらって、意気軒高になってしまいます。
そして第二として、上記の記事にもあるように〜
判定後、医師の診断前に免許を自主返納した人は1万6115人、更新せずに免許が失効した人は5706人に過ぎません。
また、医師の診断を受けて、認知症と診断された1932人が免許取り消し・免許停止となりました。
<まとめ>
※75歳以上のドライバーが免許更新に行く(216万5千人)
↓
97.5%(ほとんどの人は更新)
↓
0.09%=1932人が「取り消し・停止」 ・・・ほとんど宝くじですね!
医師の診断前に免許を自主返納した人は1万6115人(0.74%)。
更新せずに免許が失効した人は5706人(0.26%)。 ・・・家族が老人を必死に説得する姿が目に浮かびます!
75歳以上の高齢者運転による死亡事故は、内閣府のデータによると、ハンドルやブレーキなどの操作ミスが28%と高い割合を占めます。そのため日本では、報道などでも特集されることが多い高齢ドライバーの事故予防として、運転に不安を感じる人が自主的に運転免許証を返納する「自主返納」の制度を呼びかけています。しかし免許返納をすることなく車を運転し続け、悲しい事故を起こしてしまうことも少なくありません。
そんな悲しい事故のひとつとして、免許返納を家族から促されつつも、かたくなに返納を拒否した結果、交通事故を起こしてしまった90歳男性について、その家族から話を伺いました。 彼の家族構成は、65歳の息子とその妻(63歳)の3人暮らしで、彼は認知症の症状が出始めていたことから、息子夫婦から何度も免許を返納するよう促されていました。しかし彼は昔ながらの頑固な性格から首を縦に振らず、息子夫婦は困り果てていたそうです。その後、彼が交通事故を起こしてしまうまでの詳しい状況を息子さんに教えていただきました。 ――お父様はどれくらい運転が危ない状態だったのでしょうか。 90代の父親は昔ながらの強気な性格の人で、「俺は大丈夫」と言ってかたくなに免許返納を拒んでいました。けれど実際は物覚えが悪くなり足腰も弱くなっていて、運転している様子はとても見ていられないくらい危なっかしい様子だったのです。あまりにも危険だったので私が車の鍵を預かって運転させないようにしていました。 ――普段は運転させないようにしていたのに、なぜ交通事故は起きてしまったのですか。 ある日、私が外出中に車を運転したことが原因です。車の鍵は私と妻の寝室の貴重品入れに隠していたのですが、探し出されてしまいました。今となって思うのは、外出時でも車の鍵を持ち歩くべきでした…。 ――事故の事実を知ったのはいつでしたか? 警察からの電話で知りました。「人をひいたので来てほしい。酒を飲んでいるようだ」と言われました。慌てて現場に行くと、へらへらと笑いながら警察官と話す父の姿と、ミラーが無くなった車がありました。 ――本人はご無事だったのですね。どのような事故だったのでしょうか? 歩道のない道路で、歩行者が歩く部分を走行してしまい、対向して歩いてくる歩行者の身体にぶつかってしまったようです。酒気も帯びていましたが父は「俺はスピードを出していない。向こうが寄ってきた。酒は少し飲んだだけ」と言い訳ばかりで悪びれない様子に、心底腹がたって怒鳴ってしまいました。 ドライブレコーダーを見ると、明らかに父が歩行者寄りで走っていて、スピードは60キロくらい出ているようでした。ドライブレコーダーを見ても父は「俺は悪くない」と認めません。そのため認知症を疑われましたが、数値としては悪くなく、結果として相手方は左腕骨折で長期入院、父は100万円の罰金を命じられました。 ――鍵の管理など対策をしていても、人身事故の発生を避けられなかったのですね。 相手方が私の息子の所属する野球チームの関係者だと判明し、謝罪に伺った際にはひどく叱られました。また、息子もチームに居づらくなり移籍することになり、免許を返納しなかったために、息子にも迷惑がかかってしまいました。 ――最終的には、どのような解決となりましたか? この事故を機に免許を返納させ、車を売って罰金を支払わせました。私は何度も警察署や検察庁、相手方のお見舞いなどに行き会社を休んだため、みなの知るところになり、社内でも居心地が悪くなりました。この事故をきっかけに父は弱り、急に年老いて完全に歩けなくなりました。正直なところ、迷惑をかけておいて急に介護が必要となっても、私も妻も看る気になれないのが本音です。 ――免許返納の話し合いは、何歳ごろから何回程度されましたか? 父が65歳になったころから私が父の代わりに運転するようにしていました。しかし父が70歳のころに母が他界し、寂しくなったのか再び車で出かけるようになったのです。 80歳を超えたころから認知症が出はじめ、それをきっかけに返納について何度も話すようになりましたが、その話をすると怒り出すので話し合いにもなりませんでした。何度も話したので回数はわからないほどです。 ――事故後の免許返納について、本人は納得されましたか? 最後まで納得していませんでした。車を売りましたので、乗り物がなければ持っていても仕方ないと観念しただけでした。 免許返納は本人が納得しない場合、解決が困難な問題です。また、免許返納の落胆による認知症や、うつ病の対策にも配慮する必要があります。しかし人身事故に発展する可能性もあるため、車の売却など強制的に運転できない状況を作る事も選択肢になるといえるでしょう。 (まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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👀 高齢認知症ドライバーに関する現実を伝えてくれる稀な記事ですので、理解力・判断力の衰えた高齢な親を持つご家族はよく読んでおいた方が良いですね!
日頃高齢ドライバーについて、テレビやネットのニュースなどでは〜
「免許返納が増加・・・」
「高齢者の免許の更新時に認知症の検査が導入・・・」
〜といった話題が大きく取り上げられ、それだけ聞いていると〜
「高齢者の運転問題もドンドン対策が進んでいるね・・・」
「うちの親も理解力・判断力が落ちたら免許は更新されないだろう・・・」
〜などと思ってしまいがちです。
しかしながら、大きく取り上げられる「免許返納」も「免許更新時の認知力の検査」も高齢者の免許保有者(ドライバー)全体から見れば、
その対象となるのは、重症な認知症者であり、ごく僅かです。
👀 「これが現実」
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<「認知症のおそれがある」判定の高齢者、65%免許返上> 朝日新聞DIJITAL 2019年5月22日
認知機能検査で「認知症のおそれがある」と判定された75歳以上のドライバーのうち、最終的に医師に認知症と診断され運転免許証が取り消し・停止になったのは昨年、5・0%にあたる1932人だった。ほかに、判定後に自主返納したり更新せず失効させたりした人を含めると、65・1%が免許の継続を断念していた。警察庁が21日、状況をまとめた。
認知機能検査では、「認知症のおそれがある」第1分類、「認知機能低下のおそれがある」第2分類、「低下のおそれがない」第3分類のどれかに判定される。高齢ドライバーによる交通事故の対策として、認知機能検査を強化する改正道路交通法が2017年3月に施行した。従来、75歳以上の人は免許更新時に検査を受けていたが、一時不停止や信号無視、逆走など一定の違反をした人にも臨時の検査が義務づけられた。
18年は約216万5千人が検査を受け、2・5%の約5万4千人が第1分類と判定されている。
警察庁は、第1分類と判定された人(17〜18年)で18年1年間に免許の扱いが決まった3万9025人の処分結果をまとめた。それによると、1932人が取り消し・停止となったほか、45・5%の1万7775人が自主返納、14・6%の5706人が失効させた。
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👀 2017年3月から道交法が改正され、従前より免許更新時の高齢者認知機能チェックが厳しくなりました。
上記の記事では法改正後、2年での変化を取り上げています。
私も自分の親の高齢運転問題に直面する前であれば、このようなニュースを聞いたら〜
「お上もいろいろ考えて手を打っているいるね・・・」
「これで親が高齢になっても運転免許に関しては、問題ないね・・・」
〜などと、気楽に考えていたことでしょう。
しかしながら、実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、今回の道交法改正での結果を妄信せず、自分の親の高齢運転問題への対処について十分留意しておくことが肝要です。
もう少し具体的に、分かり易く言うと〜
「ウチの親も認知症という診断も出たし、次の免許更新時の高齢者認知機能チェックではキット免許取消になるわね・・・」
〜と思い込まないことです。
期待通りになるかもしれませんが、ならない可能性が圧倒的に高いですから!
まず第一に、上記の記事にもあるように〜
「 18年は約216万5千人が検査を受け、2・5%の約5万4千人が第1分類と判定されている。
警察庁は、第1分類と判定された人(17〜18年)で18年1年間に免許の扱いが決まった3万9025人の処分結果をまとめた。それによると、1932人が取り消し・停止となったほか、45・5%の1万7775人が自主返納、14・6%の5706人が失効させた。」
〜つまり、5万4千人/216万5千人 ≒ 2.5% 75歳以上の免許更新者と考えると・・・そもそも「2.5%」しか第1分類になりません。実際、更新できない人はごく僅かです。
(巷間では、65歳以上でも「7人に1人は認知症(約14%)」と言われているのに・・・)
あなたの親御さんが”認知症”と診断が出ていても、よほど認知症が悪化していない限り「第一分類」にならないと思っておいた方が良いと思います。
認知機能チェックが厳しくなったとはいえ・・・75歳以上の免許更新者の「97.5%」(100-2.5%)は、問題なく免許更新できるということは覚えておきましょう!
もし、親御さんが認知症の診断を受けていて、免許更新を運転をやめさせるキッカケにしたいなら、75歳以上の免許更新時認知機能チェックに過剰な期待をしてはいけません。
警察や免許試験場と相談をして確実に更新できない対策をとることをお勧めします。
そうでないと「認知症だから年許更新は出来ないだろう」と希望的観測で考えているとかなりの確率で「更新」出来てしまいます。
更新できてしまうと・・・高齢の親にとっては「まだ、お上も運転して良い!と言ってくれとる!!」とお墨付きをもらって、意気軒高になってしまいます。
そして第二として、上記の記事にもあるように〜
判定後、医師の診断前に免許を自主返納した人は1万6115人、更新せずに免許が失効した人は5706人に過ぎません。
また、医師の診断を受けて、認知症と診断された1932人が免許取り消し・免許停止となりました。
<まとめ>
※75歳以上のドライバーが免許更新に行く(216万5千人)
↓
97.5%(ほとんどの人は更新)
↓
0.09%=1932人が「取り消し・停止」 ・・・ほとんど宝くじですね!
医師の診断前に免許を自主返納した人は1万6115人(0.74%)。
更新せずに免許が失効した人は5706人(0.26%)。 ・・・家族が老人を必死に説得する姿が目に浮かびます!