2017年11月02日

<高齢運転者対策強化から半年、「認知症おそれ」判定が3万人>→今回の法改正の運用も固まって来たようです。改正前より前進しましたが、まだまだ適用される比率は低い事は認識しておきましょう!

<高齢運転者対策強化から半年、「認知症おそれ」判定が3万人>   2017/11/2  TBS News i
相次ぐ高齢ドライバーの事故に対し、今年3月、道交法が改正され、認知機能の検査が強化されましたが、施行からの半年間に、およそ3万人の高齢者ドライバーが認知症のおそれがあると判定されたことが、警察庁のまとめで分かりました。
 警察庁によりますと、今年3月からのおよそ半年間で、全国で認知機能検査を受けた75歳以上の高齢ドライバーは111万人あまりで、このうち認知症のおそれがある第一分類と判定されたのは、3万170人にのぼったということです。そのうち697人が免許の取り消しや停止の行政処分となりました。
 去年10月、横浜市で6歳の男の子が死亡した事故では、軽トラックを運転していた87歳の男性から遺族に謝罪の手紙が届きましたが、その文面は・・・
 「本当にごめんなさい」「これからは運転しません」(加害者からの手紙)
 「字も震えたりとか、抜けてる字があったりとか、この手紙を見たときに、やっぱり認知症なんだなって」(男の子を亡くした父親)
 男の子の父親は、免許の取り消しなどは一歩前進だが、高齢者の生活の足を支える対策などもあわせて議論していく必要があるのではないかと話しています。 
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👀 2017年3月から道交法が改正され、従前より免許更新時の高齢者認知機能チェックが厳しくなりました。
いままでより対策が厳しくなったことは、基本的に良いニュースです。
私も自分の親の高齢運転問題に直面する前であれば、このようなニュースを聞いたら〜
「お上もいろいろ考えて手を打っているいるね・・・」
「これで親が高齢になっても運転免許に関しては、問題ないね・・・」
〜などと、気楽に考えていたことでしょう。

 しかしながら、実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、この道交法改正も良い対策ではありますが、運用上の対象となる高齢者はまだまだ少ないことが、半年経って明らかになってきましたので、十分留意しておくことが肝要です。
もう少し具体的に、分かり易く言うと〜
「ウチの親も認知症という診断も出たし、次の免許更新時の高齢者認知機能チェックではキット免許取消になるわね・・・」
〜と思い込まないことです。
期待通りになるかもしれませんが・・・ならないで免許更新出来て「お上のお許し」を貰えてしまう可能性も十分に高いですから!

 上記の記事にもあるように〜
 「全国で認知機能検査を受けた75歳以上の高齢ドライバーは111万人あまりで、このうち認知症のおそれがある第一分類と判定されたのは、3万170人にのぼったということです。そのうち697人が免許の取り消しや停止の行政処分となりました。」
〜法改正前に比べれば随分増えましたが・・・
認知症のおそれがある第一分類と判定されたのは、3万170人/111万人 ≒ 2.7% に過ぎません。
逆に言えば、認知機能検査を受けた75歳以上の高齢ドライバーの97.3%の高齢者は、免許の更新が問題なく出来てしまうということです。
そして、第一分類と判定された3万170人のうち、「697人が免許の取り消しや停止の行政処分となりました。」ということですから、免許更新に伴う認知機能検査によってスピーディに免許の取り消しや停止になったのは、697人/111万人 ≒ 0.06% という宝くじみたいな確率です。
記事だけでは、第一分類と判定されて未だ免許取り消し・停止になっていない老人の詳細は定かではありませんが・・・
恐らくは、免許の自主返納の推奨や再検査などを行っているので有りましょうか??

 いずれにしても、認知症の親御さんを持ち、車の運転に悩んでいるご家族の皆様!
運転免許の更新は、何の対策も取らずに受検させてはいけません。
(認知症の診断を受けていても免許更新時の認知機能検査は運用上かなり悪化している方以外は更新できてしまいます。)
警察・免許試験場等と密に連絡をとり、認知症であることを伝え、必ず「免許の更新」が行われないように万端な準備を進めて下さい。
「免許の更新」は認知症の高齢者に運転をやめさせる“数少ない”合理的な機会ですから!

👀 国立国会図書館「認知症対策の現状と課題」より・・・の認知症の有病率は「65歳以上」でも「15%」を超えています。 ここからも免許更新時の対象となる者が如何に少ないか分かります。
      ↓
ninchiyu.png

👀 実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、今回の道交法改正で10倍程度増える予定とはいえ・・・
その対象となるのは、かなり限られた層であることは認識しておきましょう!
運転免許の更新を機に確実な対処をしたい場合、事前に警察と綿密な相談をされることをお勧めします。
「認知症だから免許更新はされないわ・・・」などと希望的な観測だけで何の対処もしないでいると、更新できてしまった場合、高齢者本人にとっては、逆に「運転すること」に対する「お上のお赦し」「免罪符」となってしまいます。
そして、その後の対応に苦慮することになりかねません!


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2017年03月22日

80歳以上の高齢者ドライバー、72%が「運転に自信あり」

<80歳以上の高齢者ドライバー、72%が「運転に自信あり」>  2017年3月7日
MS&AD基礎研究所は、全国のドライバー1000人を対象に「自動車運転と事故」をテーマとするアンケート調査を実施。高齢者の自動車運転と事故に関する実態と意識、事故防止対策などをまとめた。
調査結果によると、運転に対して「自信がある」と回答した人は、20〜29歳が49.3%、30〜59歳が40.0%、60〜64歳が38.0%と、20代から60代前半にかけては徐々に減少。しかし、その後65歳から運転に自信を持つドライバーの割合は急カーブを描いて上昇し、80歳以上では72.0%が「運転に自信あり」と回答している。
75歳以上のドライバーが遭遇したヒヤリハット経験が多い危機種類は、1位が運転中の注意散漫で34.8%、2位は(見通しの問題で)信号や車、歩行者が見えなかったの31.0%、3位は左折・右折時の歩行者や自転車との接触(巻き込み)で17.4%。事故につながったケースが多い危機種類は、1位がハンドル操作ミスで24.2%、2位は運転中の注意散漫の21.2%、3位は追突(玉突き)で18.2%。なお近年クローズアップされているアクセルとブレーキの踏み間違えについては、事故ケースとしては4番目、ヒヤリハット経験としては7番目だった。
運転免許の年齢上限制度については、若年・中堅層は賛成が多く、高齢層は反対が多いという結果が出た。ただし、65〜74歳の約4割が「上限制に賛成」と回答。70歳前後では「たとえ実施されても、もう少し上の年代」という意識がある可能性もある。
また、高齢者の運転事故対策については、「自動ブレーキ装備車のみ運転許可(71.3%)」が有効であるとの回答が最多。以下、「免許更新を1年ごとに(54.4%)」、「道路標識や信号を見やすいものに(52.1%)」が続いた。
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👀 まだ自分の親などの高齢者の運転について、切実な問題に直面していない方々は、上記のような記事を見ても〜
「最近の高齢者は元気な人が多いし・・・」
「高齢者でも自信があって良い事だ・・・」
「自分も高齢になってもバンバンドライブしたいし・・・」
〜等と、軽く考えてしまうものです。
かくいう私も同様でした。
しかしながら、高齢の親の理解力や判断力の衰えが著しくなり、認知症レベルにまで到達してくると真剣度(深刻度)が変わり、このようなニュースに対する感じ方も大きく変わるものです。
上記の記事で「〜その後65歳から運転に自信を持つドライバーの割合は急カーブを描いて上昇し、80歳以上では72.0%が「運転に自信あり」と回答している。〜」という結果が載っていますが、高齢者の運転問題が、いかに「悩ましいか」を如実に示しているのです。
高齢者でも「一般論」としては「高齢者は判断力も落ちるから運転は止めた方が良い」ということに賛成します。
しかしながら、本当に自分が高齢となり「運転を止めさせられる」のが「自分」となると話が別になります。
そこで・・・下手に「運転に自信がない」なんて漏らすと「ここぞとばかり」に家族や周囲の人に運転を止めさせる口実を与えることになってしまう事を感じ、あえて「自信がある!」と言わざるを得ないとも言えます。
ですから殊更に、高齢になるほど「運転に自信がある」人が増える結果になります。
高齢者ほど「運転に自信がある」人が増えるというのは、一見合理性が無い結果ですが、高齢者の心理としては理解できないこともありません。
 いずれにしても本当に運転能力が低下していなくて「運転に自信がある」のなら良いのですが・・・
大半の高齢者はそうではありません。
もっと意地悪に言えば・・・少し運転に不安があるくらいの高齢者の方が、それを気取られないために〜
「運転に自信がある・・・」
「まだまだ60歳の頃と変わらない・・・」
〜等と「虚勢」を張るものです。
また、「虚勢」ならまだしも・・・
認知症で本当に理解力や判断力が落ちている場合は、病識がないのと同様、運転能力についてもそもそも低下していること自体を本人が認識していない(できない)ので、ますます厄介なことになります。
  ↑
当方の父もこのような状態でした。
このような状況における高齢者の運転問題を解決することの難しさは、今なら実感をもって理解できます。
なかなか八方ふさがりになりますよ〜
・「言って聞かせても」→「怒る」「意固地になる」
・「免許更新」→「余程認知症が悪化していない限り更新できてしまいます」
        「更新できてしまった場合、逆効果(お上のお許し)になります」
        (当方の父の場合も認知症でしたが更新できてしまい、後悔しました)  
・「何もしない」→「怒らせなくて済むがいずれ事故というリスクから逃れられません」
・「タクシー使う」→「ボケてない人はこれで良い場合もあるが、認知症の場合・・・そもそも呼ぶことができません」
〜認知症の高齢の親御さんの運転問題で悩んでいる場合、「免許更新」が近づいていているなら「こんなにボケていれば、今回は更新できないだろう・・・」などと勝手に判断しないこと。
最高のチャンスをミスミス逃します!
免許更新前に内内にご家族が警察・免許試験場などと周到な連絡をとり、免許更新をさせないような段取りを整えることが、最もスマートな解決法です!
本人にとっても誰かに無理やり止めさせられるよりも、「免許の更新」に行ったら「残念ながら更新できなかった」というのが、納得し受け入れやすいと思われます。



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2017年02月20日

<高齢者認知機能チェック厳しく、来月道交法改正> →良いニュースではありますが、高齢者のご家族が留意しておくべきこととは!

<高齢者認知機能チェック厳しく、来月道交法改正>  日刊スポーツ 2017/2/20
16年11月、立川市の災害医療センターで2人が死亡した事故現場。車は歩道に乗り上げ、2人をはねた
 高齢ドライバーによる死亡事故が後を絶たない。3月には75歳以上の運転者が免許を更新する際の認知症対策を強めた改正道交法が施行される。日刊スポーツは、事故が招く悲劇を直視し、運転が困難になった高齢者が免許を返納できる社会のあり方を考える。
 ◆改正道路交通法 3月12日から施行される改正道路交通法では、75歳以上の高齢運転者の認知機能について、チェックが厳しくなる。信号無視や逆走など、認知機能が低下したときに起こしやすい18の違反行為をした場合、「臨時認知機能検査」を受けることが義務付けられる。認知症の恐れがある「第一分類」とされると、臨時適性検査(専門医による診断)を行うか、医師の診断書の提出が必要となる。この診断で認知症が認められれば、免許取り消しまたは停止となる。認知症まではいかないが、認知機能検査の結果が悪くなっている場合には、臨時の高齢者講習(2時間)を受講しなくてはいけない。
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<運転免許取り消し停止10倍増/高齢者事故データ>    2017年2月20日  日刊スポーツ
 高齢ドライバーによる死亡事故が後を絶たない。3月には75歳以上の運転者が免許を更新する際の認知症対策を強めた改正道交法が施行される。
<高齢者事故関連データ>
 ▼2016年に全国で起きた交通事故の死者数は前年より213人少ない3904人。1949年以来67年ぶりの3000人台。うち65歳以上の高齢者の死者数は2138人。全体に占める割合は54・8%で、統計を始めた67年以降で過去最高に(警察庁調べ)。
 ▼15年に運転免許を更新した75歳以上の高齢ドライバーは約163万人。更新時に義務付けられている認知機能検査では、加齢に伴った認知症や認知機能低下の判定は、84歳を境に半数を超えた(警察庁調べ)。
 ▼15年に認知機能検査の結果などに基づいて医師の診察を受けた高齢ドライバーは4027人。3月12日の改正道路交通法の施行後は、年間で約5万人に増えると予想。うち免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)。
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👀 2017年3月から道交法が改正され、従前より免許更新時の高齢者認知機能チェックが厳しくなります。
いままでより対策が厳しくなることは、基本的に良いニュースです。
私も自分の親の高齢運転問題に直面する前であれば、このようなニュースを聞いたら〜
「お上もいろいろ考えて手を打っているいるね・・・」
「これで親が高齢になっても運転免許に関しては、問題ないね・・・」
〜などと、気楽に考えていたことでしょう。

 しかしながら、実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、この道交法改正も良い対策ではありますが、まだまだ対象となる高齢者は少ないことは十分留意しておくことが肝要です。
もう少し具体的に、分かり易く言うと〜
「ウチの親も認知症という診断も出たし、次の免許更新時の高齢者認知機能チェックではキット免許取消になるわね・・・」
〜と思い込まないことです。
期待通りになるかもしれませんが、ならない可能性も高いですから!

 上記の記事にもあるように〜
 「15年に認知機能検査の結果などに基づいて医師の診察を受けた高齢ドライバーは4027人。3月12日の改正道路交通法の施行後は、年間で約5万人に増えると予想。うち免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)。」
〜法改正前に比べれば「免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)」ということですから、だいぶ対象者は増加することになりそうです。
しかしながら、よくよく考えてみると・・・
警察庁の試算どおり「免許取り消しや停止」が約1万5000人になったとしても、1万5000人に過ぎません。

👀 75歳以上の免許所有者が約478万人いますので、免許更新が3年に一度なので、1年あたりの75歳以上の免許更新対象者は3分の1位でしょうから、ざっと約159万人だ仮定しましょう。
75歳以上の免許更新者が約159万人に対して、今回の法改正によって「免許取り消しや停止」が約1万5000人となっても、1%にも満たないことになります。
      ↓
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👀 国立国会図書館「認知症対策の現状と課題」より・・・の認知症の有病率は「65歳以上」でも「15%」を超えています。 ここからも免許更新時の対象となる者が如何に少ないか分かります。
      ↓
ninchiyu.png

👀 実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、今回の道交法改正で10倍程度増える予定とはいえ・・・
その対象となるのは、かなり限られた層であることは認識しておきましょう!
運転免許の更新を機に確実な対処をしたい場合、事前に警察と綿密な相談をされることをお勧めします。
「認知症だから免許更新はされないわ・・・」などと希望的な観測だけで何の対処もしないでいると、更新できてしまった場合、高齢者本人にとっては、逆に「運転すること」に対する「お上のお赦し」「免罪符」となってしまいます。
そして、その後の対応に苦慮することになりかねません!


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