2024年12月12日

マネー投資情報(雑誌・HP・メルマガ・出版…etc)は信頼に足るか? 

<儲け話に関するトラブルにご注意!>     国民生活センター [2024年6月27日:更新]
 投資や副業といった儲け話をきっかけにした消費者トラブルが年齢を問わず依然として続いています。
 投資や儲け話を聞いたら、まずは疑いましょう。
 また、最近では特に、以下のような、無登録の海外事業者による詐欺的な投資勧誘のほか、若年者に対する詐欺的な投資勧誘、暗号資産に関する詐欺的な投資勧誘によるトラブルも目立ってきています。
海外に所在するとしている業者が、金融商品取引法に基づく登録を受けずに国内の消費者に対して勧誘を行い、トラブルになっているケース
金融商品取引法に基づく登録を受けていない業者(無登録業者)等が、セミナーやSNS等を通じて若年者に「投資話」を持ち掛け、消費者金融等から借り入れをさせて投資させるなどし、トラブルとなっているケース
暗号資産で海外事業者に投資をすると大儲けできると勧誘を行い、配当や預かった暗号資産の払い戻しに応じずにトラブルとなっているケース
 投資勧誘を受けた場合には、業者の登録の有無なども確認し、契約するつもりがなければきっぱりと断りましょう。
 金融商品取引業の登録を受けた業者については、「免許・許可・登録を受けている業者一覧」(金融庁)で、暗号資産交換業者に係る情報や利用者の方向けの注意喚起等に関する情報は、「暗号資産の利用者のみなさまへ」(金融庁)で、それぞれ確認できます。
 国民生活センターではこれまでも様々な投資勧誘トラブルについて情報提供を行っています。なかには、国民生活センターや金融庁等の公的機関を騙った詐欺的なトラブルもありますので、注意してください。
 金融庁等の関係機関でも注意喚起を行っていますので、参考にしてください。
少しでも不安に思ったら消費生活センター等にご相談ください
*消費者ホットライン「188(いやや!)」番
最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
リーフレット
年末年始の帰省シーズンに向けて、消費者庁と連携して啓発リーフレットを作成しました。
年末年始の時期、ご家族の間などでお話しする機会に、儲け話への注意喚起をお願いします![PDF形式](814KB)
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<メディアも悪乗りした「いつかはゆかし」の罪 1年で急成長。マスコミやFPの責任は?> 週刊東洋経済
2013年10月19日 鈴木 雅光 :JOYnt代表
(はじめに)これは週刊東洋経済10月19日号からの転載で、内容は同記事執筆時点のものです。金融庁は10月11日、アブラハム社に対し、6カ月間の業務停止命令を発出しています。なお、記事後半のIFA JAPANに対しては「3カ月の業務停止命令」、K2 Investment に対しては「1カ月の業務停止命令」の処分を明らかにしています。
「いつかはゆかし」という一風変わったブランド名で昨年10月から派手な広告を展開していた「アブラハム・プライベートバンク」。関係者の間で疑問視されていたこの特異な金融サービスの素性が、ついに明らかになった。
10月3日、証券取引等監視委員会が無登録で金融商品を販売していたなどと正式に行政処分を勧告。当初は反論していたアブラハム側も監視委の勧告を受け入れる方針を公表したため、10月中にも金融庁は6カ月以内の業務停止を含む厳しい処分を下す見通しだ。
アブラハムは「1億円を貯めよう」などのキャッチフレーズで、海外の複数のファンドラップ商品(複数のファンドを組み合わせて運用する金融商品)を紹介。高い利回りにより安心の老後を送ることができると宣伝してきた。
この投資助言に対し、アブラハムは顧客から預かり資産の約1%の手数料を取っていた。アブラハムの言い分は、1%の手数料以外には何も得ていない、というものだった。これが事実であれば投資助言業者としての適法業務だが、事実はまったく違っていた。
今回の行政処分のポイントは、アブラハムが投資助言業者のライセンスしか持っていないにもかかわらず、金融商品を販売したと見なされる営業行為を行っていたことだ。
具体的には、英国マン島に本拠を置くハンサード社の「アスパイア」というファンドラップ商品を購入するよう、顧客を誘導。契約額に応じた報酬を得ていた。
特定の会社から報酬を得れば、金融商品の販売行為に該当する。金融商品販売業者としてのライセンスを持っていないアブラハムは、海外ファンドを「無登録販売」しており、これが証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反と判断された。
・解約すると全損に
今後の焦点の一つは「いつかはゆかし」の約2800人の顧客と、170億円に及ぶ契約残高の行方。アブラハムの経営姿勢に嫌気が差して契約解除を考える顧客も増えていくはずだ。
しかし、足抜けするのは容易ではない。この手のファンドラップ商品の一般的な特徴でもあるのだが、ハンサードのアスパイアは、運用開始から2年以内で解約した場合、積み立てたカネは顧客の手元に戻ってこない契約になっているのだ。「いつかはゆかし」は昨年10月に販売を始めたばかりであり、すべての顧客が2年未満。解約を申し出ても、積み立てたカネは戻ってこない。戻ってくる可能性があるのは、アブラハムに支払っていた手数料くらいだ。
仮にアブラハムが業務を継続できない状況になったとすれば、契約を解除するにしても、自分でやらなければならない。それも、相手は海外の会社なので、手続きはすべて英語。語学力のない人にとって、これは非常に厳しい。
今回、アブラハムは投資名目で集めた資金を遊興のために費消していたわけではなく、この手の事件では一般的な詐欺罪の適用は現実的ではない。しかし顧客の立場から見れば、詐欺にあったのと同様の悪質さと言えるだろう。
それにしても、なぜ多くの顧客がアブラハムの宣伝を信じたのだろうか。「利回り15%」などの誇大な広告を見れば、直感的にまゆつばものだとわかりそうだ。それでも多くの顧客を獲得できた理由は、メディアを徹底的に活用した点にある。
昨年10月に「いつかはゆかし」を発売して以降、新聞、投資雑誌、テレビなどのマスコミにタイアップ記事を掲載するだけでなく、電車のドアに張り付けられた車内広告、都内高層ビルでのデジタルサイネージ、JR東京駅構内での大型広告など、大規模なプロモーション戦略を展開した。推進したのは、最大手の広告代理店だ。
こうしたメディアを活用した派手なプロモーション戦略だけでなく、アブラハムはさまざまな手練手管を駆使し、自社のビジネスの正当化を図ろうとしていた。
たとえば、広告塔の存在だ。アブラハムのグループ会社である「海外投資新聞」のサイトには、竹中平蔵・慶應義塾大学教授、岩田規久男・日銀副総裁(当時は学習院大学教授)をはじめとする著名人が顔をそろえている。一般の人の家計相談やアドバイスを行っているファイナンシャルプランナー(FP)の中にも、アブラハムを応援するメッセージを、自らのブログに書きつづっていた人がいる。海外ファンドに投資する際の注意点といった一般的なエクスキューズを入れながらも、「いつかはゆかしに共感」、「いつかはゆかしの魅力的な点」など、結局のところ同社の魅力を打ち出した歯の浮くような記事をブログに掲載していた。
この手のブログの一部は、今回の行政処分のニュースを受けて、「一部報道にもとづき、事実関係が確認されるまで掲載を停止しております」としているものの、多くは掲載されたまま。日本FP協会が認定しているCFP(上級ファイナンシャルプランナー)の有資格者にしてこの体たらくである。
短期間でアブラハムが急成長した背後に、マスメディア、FPの下支えがあったことは紛れもない事実。今後、検証がなされていく必要があるだろう。
・報酬はSTI経由で還流
証券取引等監視委員会はアブラハムとほぼ時を同じくして、IFAジャパン(代表:荒川雄一氏)、K2インベストメント(代表:河合圭氏)にも行政処分勧告を行った。アブラハムと同様、海外のファンドラップを無登録販売したことが問題視されており、やはり業務停止命令が下されることになりそうだ。
ただ、アブラハムと2社のスキームには大きな違いがある。アブラハムは、
図のように販売報酬を還流させるための複雑なスキームを構築している。ファンドラップ会社からの報酬を、バージン諸島に設立した「サゲイシャス・トレンド・インターナショナル(STI)」という海外の関係会社で受け取り、その資金をアブラハム・グループ・ホールディングス経由でアブラハムに還流させていた。
こうした複雑な資金還流スキームを構築しておきながら、所得に対して誠実に税金の申告をしていたのかどうか。全容解明には時間を要することになりそうだ。
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<安愚楽訴訟で海江田氏、「因果関係不明」と争う姿勢> 2013.3.25 MSN産経ニュース
 和牛オーナー制度が行き詰まり破綻した安愚楽牧場(栃木県)をめぐり、海江田万里・民主党代表が経済評論家時代に書いた記事を読んで出資し損害を受けたとして、出資者30人が6億円余りの賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、東京地裁(志田原信三裁判長)であった。海江田氏側は「執筆と損害との因果関係が不明で、法的責任はない」と請求棄却を求めた。
 約5500万円を出資した40代の男性原告が意見陳述し「自宅を購入するための蓄えなどが破綻で紙くずとなってしまい、途方に暮れている。海江田氏の本に出合わなければ被害に遭わなかった」と訴えた。
 訴状によると、海江田氏は1987〜92年ごろ、「リスクはゼロ」などと書籍や雑誌で紹介。出資者側は「投資の専門家として影響力があったのに調査や説明を怠った」と主張している。
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👀 安愚楽牧場の和牛オーナー投資を当時大々的に薦めていた海江田氏を例にとるまでもなく・・・
世には、ありとあらゆるマネー情報が溢れています。
当然、それらは金融資産の多くを保有する高齢者をターゲットとし、虎視眈々とダマす機会をうかがっているといって良いでしょう。
HPや雑誌などのマネー情報の多くは、評論家やFPなどが客観的に書いている記事の形を取りますが・・・
実態は、バックにいる金融機関の代弁者であり、受け売りの情報をいかにも専門家としての中立な見解かのように伝達するのでタチが悪い。
たとえば、和牛オーナー投資などという、どう考えても不確実でリスキーな投資でも、高名なマネー評論家海江田氏が〜
「安全・確実・・・」
「私も購入・・・」
〜なんて情報を垂れ流せば、一般の人は信じてしまうでしょう。
高齢者なら尚更です。
実際は、安愚楽牧場からリベートでももらって提灯記事書いていたことは想像に難くない。
そうでもないのにこんな提灯記事を書いていたなら、それはそれでただのおバカに過ぎません。

<マネー情報の裏には、必ず誰かの意図が有る!>
 ただ、このようなケースは、安愚楽牧場の件に限らないのですよ。
否!
世に溢れるマネー情報など程度の差はあれ、似たような物だと思っておいて間違いありません。
だいたい本当に確実に儲かる情報など有るなら、そんな情報を人に容易く教えません。
ホイホイ公表している時点で、そんな情報は「宣伝」か「リベート貰って書く提灯記事」…etc、いずれにしても誰かが何らかの意図をもって流している情報であることに違いありません。

<「マネー・投資」情報など占いのようなものと心得ましょう。>
 世には、マネー情報が溢れかえっていますが、逆説的に言えば、溢れかえる程の情報があること自体が「本当に儲かる情報」など無いことの証明なのです。
本当に儲かる情報が有るなら・・・
すべての情報は、それについての情報に集約されるはずなのですから!
「プロが運用するアクティブ投信は、平均するとインデックス投信より劣る運用成果しか上げられない」ということは通説となっています。
ことほど左様に、投資やマネーのことについては、実際はプロですら分からないというのが、本当のところです。
金融機関の営業にせよ、雑誌・HP…etcといった形の情報にせよ、誰かが自分に「安全確実で儲かる」金融商品を教えてくれる!などと期待していること自体、「ダマされる」一歩手前にいる状態です。
マネー情報は、あくまでアテにならない情報に過ぎません。
最終的には、自分で十分に理解し、自分の収入・資産状況に応じて、取り得るリスクの範囲で実際に投資をしていくことを通じ、自分の投資スタイルを確立するしかないのです。
「そんなことは出来ません」という方は、リスクのある金融商品からは遠ざかっておくことが肝要です。



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2024年12月05日

金融機関職員の犯罪者化が止まらないですね!

<三菱UFJ銀行 支店管理職が貸金庫から盗み 被害10数億円 約60人>  2024年11月22日
メガバンクのひとつ三菱UFJ銀行は、支店に勤務していた管理職の行員が支店の貸金庫を無断で開け、時価にして10数億円の金品を盗み取っていたと発表しました。被害にあった人の数はおよそ60人に上るということで、銀行は補償に向けた対応を急ぐとしています。
三菱UFJ銀行によりますと練馬支店と玉川支店で店頭業務の責任者を務めていた管理職の行員が、支店の貸金庫を無断で開け、中に入っている金品を盗み取っていたことが10月末にわかったということです。
この管理職は貸金庫の管理を担当していて、銀行が詳しく調べたところ先月までの4年半にわたって盗みを繰り返し、被害にあった人はこれまでにわかっているだけでおよそ60人、被害の額は本人や被害者の話などから時価にして10数億円に上るということです。
利用客から「貸金庫に入れていたものが減っている」といった趣旨の相談を受け、本人に確認したところ盗んだことを認めたということで、銀行は11月14日に懲戒解雇にしたとしています。
ほかの支店の貸金庫では被害は確認されていないということです。
三菱UFJ銀行は「厳粛に受け止め深く反省するとともに、お客さまならびに関係者の皆さまに心よりおわび申し上げます。お客さまへの被害補償、真因分析に基づく再発防止などの検討も速やかに進めてまいります」とコメントしています。
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<顧客宅に放火、2600万円奪った野村證券元社員の「バカ過ぎる」手口 「ばくちのような投資で借金が数千万円に」> 2024/11/9 デイリー新潮
 職業倫理もなにもあったものではない。証券会社の営業マンが、業務を通じて資産状況を把握していた顧客の大金を強奪した。
「10月30日、広島県警は強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで、野村證券の元社員を逮捕しました」
 と、県警担当記者。元社員は神奈川県葉山町の無職、梶原優星(ゆうせい)容疑者(29)だ。
「今年7月28日、広島市西区の80代夫婦宅で、夫婦に薬物を飲ませて意識をもうろうとさせたうえで放火。ボストンバッグに入った現金約2600万円をバッグごと奪ったとされます。夫婦は命からがら逃げ出し、無事でした」
 当日は日曜日だった。
「野村證券の営業職だった梶原は、それまでも何度か、担当する夫婦宅を訪れていました。当日も夫婦宅で食事の約束をして訪問。午後5時半から8時前までのあいだに、梶原は自らに処方された睡眠作用のある薬物を酒に入れて夫婦に飲ませ、火をつけたとみられます。のちに、夫婦の体内から薬物の成分が検出されました」
 居宅は壁や床など約15平方メートルが焼けた。夫婦は近隣住民に“またここに住むのは難しい”と話している。
 事件は多額の借金を抱えた梶原容疑者による計画的な犯行と報じられてはいるが、実際はどうだったのか。
あまりにずさんな手口
 先の記者によれば、被害に遭った夫は地場の食品メーカーの創業者。
「県内有数の企業に育て上げ、現在は経営を親族に任せ退いています。そのかたわら資産運用などで証券会社と付き合い、現金での取引を好んでいたとのこと。こうした状況を知って犯行に及んだ梶原は、警察の調べに対しては放火を否認し、“金は盗んだが2600万円という金額が違う”と話しています」
 そんな梶原容疑者は神奈川県横浜市出身で、
「法政二高から法政大学へと進み、野村證券に入って広島に配属されました。大学では体育会のサッカー部で、トップチームのレギュラーにはなれなかったものの、守備的MFとして努力し続けた。そんな経歴から、野村證券では営業マンとして期待されていたようです。ですが昨今の闇バイト強盗事件を思わせる手口で顧客を標的にするなんて……。期待外れどころか、論外でしょう」
 手口はずさんとしか言いようがない、と捜査関係者が明かす。
「火事の前後に夫婦宅を訪れていたのが容疑者しかいなかったことで、事件への関与がすぐに浮上しました。8月上旬には、広島市内にあった容疑者宅を家宅捜索。強奪金の一部や睡眠作用のある薬物などを押収し、証拠を積み上げた結果、逮捕に至りました」
ばくちのような投資で数千万円の借金
 事件後、逮捕される前に野村證券を懲戒解雇となり、神奈川県葉山町へと転居していた梶原容疑者。
「借金は数千万円に上ります。業務外で“バイナリーオプション”に手を出していたのです。バイナリーオプションは外国為替などの相場が上がるか下がるかを二者択一で予測する取引で、極めて投機性が高く丁半ばくちのような投資。容疑者は個人でこの金融商品に金を注ぎ込み、損失が雪だるま式に膨らんだ。そして資産がある顧客などから借金していたのです。夫婦宅から盗んだ金は、損失の穴埋めや、さらなる投資に充てていたとみられます」
 もはや、愚か者につける薬はなさそうだ。
「週刊新潮」2024年11月14日号 掲載
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👀 今の高齢者が現役の時代、数十年前までは、金融機関の職員・特に銀行員などは公務員を除けば、お堅い職業の代表格でした。
バブルがはじけて以降、金融機関の地位もドンドン低くなり、今では新卒学生の就職したい企業ランキングなどの順位も見る影もありません。

 最近では、上記のような金融機関の職員による事件も多く、もはやお堅い職業どころか、担当職員によって金融犯罪に巻き込まれていないか疑ってかかるべき職業になりつつありますね。

 金融機関の職員による犯罪が増えている背景には、そもそも彼らの仕事内容自体が「高齢者を騙して自分たちの都合の良い金融商品に誘い込む」ことであることと共に、昔のように職業として「お堅い」「高いステータス」といったものが無くなってしまった為、かつて高かった職業倫理も地に落ちていることが起因しているでしょう。
チョット借金が嵩んだりしてしまうと顧客の金に手を付けることのハードルは下がりまくっています。

理解力や判断力が低下した、高齢の親御さんをを持ちのご家族は、金融機関職員による金融犯罪に親御さんが巻き込まれていないか、重々気を付けましょう!
騙されてからの被害の回復は非常に大変、乃至回復できませんから!








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2024年11月22日

「コンプライアンス」「フィデューシャリー・デューティー」と姦しい現在だからこそ、高齢者は周到に金融機関に取り込まれます!

<「シニア世代の資産運用」がなぜか大失敗するワケ 老後の大切な資産を「何百万も溶かす」人たち> 東洋経済ON LINE 西崎 努 : シニア投資コンサルタント  2021/11/21
貴重な老後資金の運用で損失を抱え「こんなはずじゃなかった」と嘆く高齢者は少なくない。
大手証券会社出身、現在は“シニア投資コンサルタント”としてシニア世代の運用見直しに従事する西崎努氏は「まとまった資金を口座にもつシニアは金融機関の格好のターゲット」だという。『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』の著者でもある同氏が、シニア世代の運用の実態と、適切な運用方法のポイントを解説する。
親の資産状況を把握していますか?
いきなりですが質問です。次のチェックリストにいくつ◯をつけられますか?
□親の預金口座、証券口座がどこにあるか知っている
□親の貯蓄がいくらあるか、だいたい把握している
□親の株や投資信託などの評価額を把握している
□親が加入している保険の種類を把握している
□現在の預貯金の金利を知っている
すべて把握しているという人は案外少ないのではないでしょうか。
もしあなたが親の資産状況を知らないのだとしたら、大切な家族の資産が知らぬ間に危険にさらされてしまうかもしれません。
最近では某保険会社が高齢者などを対象に20万件以上も不適切な販売を行ったことが問題になりました。このような明らかに不正とされる例以外にも、本人の意向に沿わないようなハイリスク商品や、不必要に高額な手数料を払っているケースは多々あります。
きつい言い方をすれば、まとまったお金を持ちながら判断力が衰え始めたシニア世代は、金融機関の“カモ”になりやすいのです。
実際に私のところに駆け込んできた方の運用トラブルをいくつか紹介しましょう。すべて実際にあった話です。
Bさんは、以前から付き合いのある証券会社の担当者から、新規公開する某通信会社の株を勧められました。
「この株は非常に期待できるので、人気があってなかなか手に入りません。この銘柄でこれまでの損を挽回しましょう」
そう言われて3万株、申し込んだそうです。
その後、担当者からは「頑張って取ってきました」と申し込んだ3万株がすべて取れたとの連絡を受けました。さらに「本社でキャンセルが出たので追加で取れそうです! 追加で申し込みましょう」との提案を受けましたが、さすがに余裕資金の上限を超えるのでそれは断ったそうです。
さて、本当に人気のある新規公開株がこんなに都合よく回ってくるものでしょうか? 通常は考えられません。こういったセールスがある場合は、だいたい売れ残りの在庫処分のようなものだと考えていいでしょう。
結果はというと、この株式は上場後、株価が大きく下落。しかも話はそれで終わりません。その後、大手生命保険会社の公募増資が発表されると、今度は「これで通信会社の株の損失を取り返しましょう!」と勧めてきました。Bさんはその言葉を信じて通信会社の株を損切りし、約750万円の損失が確定。代わりに生命保険会社の株を買いました。
ところが、この乗り換えが完全に裏目に出ます。通信会社の株は売った直後から値上がり。一方で生命保険会社は不祥事で株価が下落して約860万円の評価損が発生。結局Bさんは約1600万円もの含み損を抱えてしまいました。
知らぬ間に資産を減らす「隠れコスト」
次は60代の男性Dさんのケースです。
Dさんは親の相続をきっかけに証券会社に口座を作り、担当者から勧められて米国株式への投資を始めました。ちょうど米国株式相場が大きく上昇していたこともあり、購入する銘柄がことごとく値上がりしていきました。
ところが、コロナショックで状況は一変。これまでの利益が吹き飛ぶほどの評価損となり、慌ててこれまでの取引を見直してみることにしました。
すると、通常、証券会社を通じて証券取引所に注文を出す「委託取引」ではなく、証券会社との相対で売買をする「仕切取引」で売買をしていることに気づきました。
確かにそのような説明があった気はしたのですが、委託と仕切と言われてもたいして気にしていなかったそうです。
そこであらためて調べると、「仕切取引」で購入した株価は前日株価終値から1〜2%程度高い価格で購入や売却をしており、委託注文に比べると割高な手数料を払っていたことがわかりました。Dさんの場合は金額にして300万円以上も高かったようです。
Dさんは、これまでは商品にさえ気をつければ大丈夫と思っていましたが、まさか取引方法でこんな違いがあるとは知らなかったといいます。
もう1つ、少し大きな金額の事例です。
ある有名企業の元役員であるEさんは、3億円の余裕資金を5年間、銀行が勧める投資信託で運用していました。
5年間でのトータルのリターンは400万円程度。年平均0.27%の利率にしかなりません。当時の相場は悪くなかったのに、これほど低いリターンしか得られないのは不自然です。
実はこの裏には、高額の手数料が隠されていました。購入当初の販売手数料が750万円。毎年の運用手数料が350万円。ただ投資信託を保有していただけで、なんと5年で合計2500万円ものコストがかかっていたのです。Eさんは損はしていないとはいえ、400万円の利益のために2500万円も使ったことになります。最も高い利益を得たのは金融機関です。誰のための投資だったのでしょうか。
これらの事例をご覧になって、どう思うでしょうか。自らインターネットなどで情報収集し、ネット証券で取引するのが普通の人たちからすると「金融機関に言われるまま投資するなんて、ありえない」と思えるかもしれませんが、これがシニア世代の資産運用の実情です。
投資信託協会が発表した2020年度のアンケートを見ると、金融機関に勧められて投資信託を買ったという人が全体の40%。しかも高年齢層ほど、割合が高く、60代では52.1%、70代では61.5%です。
これらのデータを見る限り、若い人ほど金融機関を頼らず、年齢が高い人ほどいまだに金融機関を信用しているように思えます。
そういう方ほど、勧められた金融商品を疑いもなく購入してしまいがちですが、これは要注意です。
自分がよくわからないまま相手に任せていると少しずつ損失が発生し、疑問に思って相談しても、「様子を見ましょう」といわれるだけ。「そんなものか」と考えてしまい、そのうち大きく元本を減らして大損してしまう方をたくさん見てきました。
また、そのような方に客観的な立場からアドバイスしても、購入した商品を整理することに対して、躊躇されることが少なくありません。金融機関との付き合いや担当者への情があるからです。
最近では本人がご高齢になり、心配になったお子さんたちがご相談にいらっしゃるケースも増えています。
担当者は運用のプロではなくセールスのプロ
金融機関は、退職金などでドサっと預かり金が口座に入ると、すかさず資産運用の営業をかけます。預金口座は営業リストのようなものであり、担当者は運用のプロではなくセールスのプロです。
そして金融機関が勧める金融商品は、顧客に適したものではなく基本的に「売りたい商品」です。
もちろん投資はリスクがあり自己責任で行うものですが、実は金融庁も以前から、金融機関の姿勢を次のように指摘しています。
「金融機関においては、短期的な利益を優先させるあまり、顧客の安定的な資産形成に資する業務運営が行われているとは必ずしも言えない状況にある。」(平成27事務年度の金融レポート)
つまり、短期的な利益を優先するあまり、顧客属性を無視した商品販売や、ニーズとは違う提案に前のめりになっていると金融庁ですら問題視しているのです。
金融機関が売りたい商品は主に、手数料や運用コストが高い商品です。
投資信託やファンドラップ、新興国債券や仕組債が代表的な商品で、最近は「仕切取引」といわれる、証券会社との相対取引(1〜2%の手数料をのせた価格)での米国株式の売買も提案されているようです。
とくに投資信託やファンドラップは、一度購入してもらえば、ずっと信託報酬を稼げる点で金融機関にメリットがあります。要するに手数料を得やすい商品であるため、ノルマを設け、顧客属性を無視してでも大量に販売しようとするわけです。
大手金融機関がこうまでして短期の利益を追求するのは、そこで稼がないとその巨大な組織を維持できなくなってしまったからです。
金融機関も人を抱えてビジネスをしている以上、利益を得なければならないのは当然です。ただ、その利益が顧客である投資家と相反していることは否めません。とくに現状ではコストの高い商品ばかり提案されているのが実態です。
こうした構造や背景を踏まえて、金融機関と向き合うことが、シニア投資ではとくに大切です。
シニア世代の「減らさない運用」に最適な金融商品とは
こういったトラブルを防ぐために、多くの方に知っていただきたいのが「シニア投資」という考え方です。
これから資産を築いていく現役世代と、貯蓄や退職金などで資産を築いてきたシニア世代とでは、ニーズも、投資の考え方も、最適な金融商品もまったく違います。
私のところに相談に来るお客様の多くは、ガンガン儲けることは望んでいません。大事な資産を「減らさない」安心を求めています。
私の考えるシニア投資のポイントは次の5つです。
@値上がりで儲けようとしない
A仕組みを理解しにくい商品は買わない
B運用コストは最大でも年1%以下に抑える
C現金化するタイミングを決めておく
D1つの金融機関だけに頼らない
『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
当たり前のように感じるかもしれませんが、これらをチェックリストのように頭に入れて金融機関の話を聞いてみると、真逆の提案をされていることがよくあります。「人気の商品」とか「値上がりが期待できます」「毎月分配金が入って安心」などと言われると、そこにばかり気を取られてしまいますが、冷静になって考えればシニア世代が選ぶべき運用方法は、実にシンプルです。
例えば債券などは仕組みが単純で、比較的値動きが少ない金融商品です。しかし金融機関ではほぼ提案されません。
いずれにせよ、資産運用は当人のニーズありきです。金融機関の「売りたい商品」ありきの提案にうかつに乗らないために、親子で相談したり、第三者に相談するなどして、リテラシーを高める必要があるでしょう。
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👀 このような記事をせっかく目にしても、自分の問題として感じていないうちは、流し読みして終わってしまうものです。
しかしながら、このような記事は有りそうで無いモノですから、高齢の親御さんがいる方は、まだ関係ないと思わず読んで欲しいものです。
今回の記事も、高齢者が金融機関にダマされるという面においては、非常に典型的なケースです。
このような記事に接すると〜
「こんなケースは、ごく一部の不届きな金融機関の職員が起こしたこと・・・」
「ウチは大丈夫・・・」
「ほとんどの金融機関の職員は真面目に・・・」
〜といった感想を感じるだけで、自身の身に置き換えて考えることなく、すぐに忘れてしまう方が多いように思います。
しかし、この記事のように取り上げられ報じられるケースは、氷山の一角であり、そこまでは至らないながら、表面化しない金融機関によるダマしの被害は、無数に存在すると認識した方が良いのです。
このことは、金融機関による被害だけに限られたことではありません。
・「漫然とただニュースを見ている人」と「ニュースで取り上げられる事件から敷衍して自分の身に置き換えて教訓とすることが出来る人」
  → 「ダマされる人」になるか「ダマされない人」となれるかの分かれ道とも言えるでしょう。
 上記の記事も特殊なケースと考えず、高齢者が金融機関とどのように対峙していけばよいか、是非とも反面教師として、教訓にしていただきたいと願います。

<金融機関にダマされる高齢者の典型@:現在の金融機関の認識が間違っている・・・「大きな銀行だから大丈夫」>
 高齢者が現役世代であった頃、バブルがはじける前までは、金融機関は様々な規制に守られ、大蔵省も護送船団方式で金融機関を牛耳っていました。
逆に言えば、高齢者をダマすような悪辣な営業をしなくてもやっていけましたし、そんなことをすると大蔵省に目を付けられかねませんでした。
特に、銀行は一般消費者に対してはリスク商品をほとんど扱いませんでしたので、信ずるに足る存在だったと言えるでしょう。
銀行員と言えば、「黒縁めがねでマジメ」というイメージで、公務員に準ずるような職業イメージの時代でもありました。
今でも高齢者の皆さんは、この頃のイメージを引きずり〜
「天下の○○銀行なら・・・」
「銀行員が人をダマすことは・・・」
〜といった間違ったイメージを抱きがちです。
 バブルが崩壊し、その後の金融ビッグバンによる金融の規制緩和により、金融機関のあり方は大きく変わりました。
特に、一般人から見た場合、「銀行」の変貌は大きく、「証券」・「保険」・「信託」・「サラ金」といった業際規制が事実上なくなりましたので、昔はお堅かった「銀行」が、今では事実上「株屋」「保険屋」「信託屋」「サラ金」も営業しているのです。
もはや牧歌的な「お堅い銀行員」の時代は遠い昔のこと。
グローバルな金融市場でハゲタカと戦わざるを得ない時代となり、自らもハイエナ化しています。
現在では、銀行はお堅い業種の代表ではなく・・・「株屋」「保険屋」「信託屋」「サラ金」の総元締めという位の認識を持たないといけません。
残念ながら銀行員でも「信ずるに足る人種」ではないのが現状です。
今回の事件のようにマルチに投資までさせるのは、明確に犯罪ですからさすがにあまりいないでしょうが・・・
油断すると、ワケの分らないリスク商品を購入させられることは日常茶飯事なのです。
「大銀行だから・・・」なんてゆう高齢者が、実は銀行にとって一番御し易い客と言っても過言では有りません。

<金融機関にダマされる高齢者の典型A:金融機関に「退職金活用」や「相続対策(遺言)」を扱わせてしまう。>
 金融機関が高齢者を顧客化するキッカケとして重視するのは、「退職金」・「相続(遺言)」といった話題であることが多いです。
「退職金活用の無料セミナー」
「第二の人生を豊かに・・・無料相談会」
「著名な評論家の第二の人生についての講演会・・・」
「専門家のアドバイスが無料で・・・」
「相続対策無料セミナー」
〜等々といったイベントを始終開催しています。
高齢者としては、興味深い話題であると共に、金融機関が主催するとはいえ、金融商品購入に直接関係するイベントではないので「参考までに聞いておくか・・・」と警戒心も緩みがちです。
金融商品を売り付けなら断る人でも、「第二の人生を・・・」「争続を避けましょう・・・」などといった大義名分が有ると、簡単に金融機関のイベントに行ってしまうものです。
イベントに参加するとアンケートなどで情報収集され、その後営業対象とされます。
タダでイベント参加したという心理的な弱みもあるので、その後の営業も無下に断れない高齢者も多いのです。
悪いことは言いません。
本当にご自身の為の退職金活用や相続を行いたいなら、多少お金を払ってでも金融機関ではなく直接専門家に頼んだ方が良いのです。
金融機関の場合、当然ですが、その顧客の「退職金」・「相続」を取扱うことを通じて、自社の儲けに結び付けることが重視されます。
金融機関は、世の為人の為にボランティアでイベントを開催しているわけではありません。
あくまで顧客開拓のキッカケとして、無料でイベントを開いているのです。(建前上「そんな事は無い」と言いますが・・・)

近年は、社会全体にコンプライアンスにうるさくなり、直近の金融業界では「フィデューシャリー・デューティー」についてもうるさくなりました。
これで単純に金融機関が、高齢者をダマすことが無くなればいいのですが・・・
低収益に悩む金融機関が収益を上げる為には、収益性の高い(≒顧客が損する)金融商品を大半の金融資産を保有している高齢者に販売しなければならない構造は変わりませんので・・・
結局のところ、現在、金融商品の販売現場では、より周到に「契約書」・「確認書」・「上司を含めた確認」を残すことに 血道をあげる様になっているといっても過言では有りません。
家族が気付いて「適合性の原則」に則っていないと感じても、形式上「正当な取引」となって、昔のように口八丁手八丁で販売していた時代より、逆に手が出しにくい状態になってしまっています。
「コンプライアンス・・・」「フィデューシャリー・デューティー・・・」と姦しい現在こそ、くれぐれも高齢の親御さんがいる皆様は、親御さんが金融機関にダマされない様に注意を払って行かなければなりません。




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posted by 隊長 at 14:47| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする