2024年09月24日

こうして信託銀行に籠絡される(父のケースB) 

👀 N証券M支店にダマされ多額の投信・ファンドラップに投資させられた父ですが、同じ頃、M信託銀行にも籠絡されておりました。
金融機関にダマされない為の実例として、皆様の何かの参考になるかもしれませんので、そのエピソードについて取り上げたいと思います。

<M信託銀行での打合せ>
打合せ前の一時払い生保の押し売りもバタバタと終わり、ようやく打合せに入ることになりました。
初めに支店長や担当営業の上司といった人の紹介やご挨拶が終わり・・・
実際の話し合いは、信託銀行からは、父の担当営業(女性)と遺言業務の専門担当者(女性)が参加しました。
そして、父の希望をヒアリングして作成したという相続案につき説明を受けました。
提示された案は、想像していたよりもずっとおざなりで表面的な内容であり、まだ信託銀行というものに多少期待をしていた私は、正直ガッカリしました。
(生前の受益や父の死後の家族それぞれの生活などに対する深慮がなされた様子は無し。)
「父の希望・・・」ということを説明の端々に入れて、納得させようとしていますが・・・
今思えば、そもそもボケた父が相続について体系立てて考えられるワケもなく、信託銀行の担当に〜
「○○は、こんなもの如何ですか?」
「はいはい!」
「それでは、これで・・・」
〜といった感じに誘導尋問のように相続案が作られたいったのであろうことは容易に想像できました。
相続案では母への相続の内、かなりの部分を「信託」を設定するという案になっていました。
母も大病を経て父より心身は衰えていますので、父の死後を思えば、全く意味が無いとは思いませんが・・・
高い信託報酬を取られ、利回りも悪いことを考えると本当に必要なのかは大いに疑問でした。
やはり「信託銀行に遺言作成を依頼すると信託設定ありきで進むことになるのだな!」という結果で、明らかに自行の利益を優先した案を、さも父が望んでいるかのように仕立て上げたとしか考えられない代物でした。

 相続案の説明が終わり、「ご家族としてはどうでしょう?」と意見を求められましたので・・・
当家の場合、父には障害のある子がおり、相続を真剣に考えるなら「特定贈与信託」の利用を考慮することが重要なのですが、そこに全く触れられていないことについて担当者に聞いてみました。
〜相続案を作る調査段階で「特定贈与信託」を利用できる家族がいることは、調査済みであるに違いないのになぜ全く言及が無いのか?本当に不思議でしたから〜

 私は、きっと信託銀行のような専門家に頼めば(高い報酬払うワケですし)相続に当たって、最も適切で有利な案をイロイロ考えて提案してくれて、当家において大事な課題である「特定贈与信託」についても精査し、被相続人(父)に利用を奨めてくれたりするものだと思っていました。

しかし残念ながら、担当営業は、そんな面倒なことには、手を出したくないようでした。
その上、行員と対話する内に「特定贈与信託」に積極的でないもう一つ別な理由が醸し出されてきました。
「特定贈与信託」は、M信託銀行の中では(取り扱いも少ないので)本店の専任の部署の管轄であるとのことでした。
(イコール=支店の管轄ではない為、支店の営業成績にならないということです。)
つまり、「本人にその気が無い」等イロイロ理由付けはしていましたが・・・
せっかく遺言案件を担当したのに、自分の(支店の)成績にもならない手法で、成績が下がってしまうようなことはしたくないという雰囲気がアリアリでした。

 結局、この打合せの後、特に大きな変更もなく父の遺言は作成されていくことになりました。
この時点では、相当トンチンカンになってきているとは思いながら、まだ父が認知症だとは思ってもいなかった私は〜
「信託銀行の営業に丸め込まれて、高い金出さされた上に、大した知恵もない遺言を作らされてるな!」
「困ったものだ!」
〜とは思いながらも、それ以上のアプローチは取れずじまいでした。
結局、3月に公正証書遺言は出来上がり、公証役場で認証を貰い、副本を父も受領しました。
4月になって父がN証券にダマされて、頻繁に父のところに行く様になってから、この遺言が作成完了していたことを知ると同時に・・・もうその頃には父は遺言作ったこと自体も忘れ、遺言書の本人用副本も、信託銀行に副本預けた預かり証も失くしていることも分かりました。
(それまでは、私は遺言作成について本人からも信託銀行からも話にも出ないので、まだ作成段階だと思っていました。)

<振り返ってみると・・・>
 ここに至るまでは、何とか金融機関に大きくダマされることなく過ごしてきた父でしたが・・・
父がM信託銀行に遺言作成させら始めていた頃(12月〜1月)には、
N証券にもダマされ始めていたわけです。(私も気付きダマされたのが表面化したのは、4月以降ですが販売の起点はこの頃) 
どちらの金融機関も父の理解力・判断力の如実な低下を機に、自分たちに都合の良い方向へ籠絡を始めていたことが分かります。
全く油断も隙もない話です。
その後、私もいよいよ父が明らかにおかしい事に気付き、8月に何とか父を病院に連れて行き「認知症である」と診断されることになります。
今になって振り返ってみると、当然、M信託やN証券に籠絡されていた頃も認知症であったことは明らかで、気付くのが遅すぎました。

〜つづく〜



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posted by 隊長 at 16:08| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月29日

「ヒマ・女性・見栄」・・・だまされる高齢者の代表的キーワード!

👀 高齢者が金融機関にだまされるケースには、共通する特徴が存在します。
それをキーワードとして頭に入れて置くことは、被害に遭わない為に重要です。

<だまされる高齢者のキーワード@:「ヒマ」!>
金融機関にだまされて退職金で投信などを買わされてしまう高齢者の特徴として、定年で引退したり、引退まではしなくても、嘱託などの雇用形態となり、時間に余裕ができた方が多く見受けられます。
現役時代は忙しいので、金融機関など相手にしていられなかった。(だまされずに済んでいた。)
ヒマになったことも有り、金融機関の職員と頻繁に接触を持ってしまいがちです。
人間というものは頻繁に会う機会がある人ほど親近感を感じるようになります。
そして、最終的には、心理的に断わり切れなくなり、勧誘に乗ってしまい、だまされてしまいます。
営業マンが無駄に思える訪問や電話を繰り返すのは、このような効果を狙っている面も大きいのです。

<だまされる高齢者のキーワードA:「女性」!>
金融機関にだまされてしまう要因の一つに、金融機関の女性職員の戦力化があります。
少なくともバブル期までは、リスク商品の多い証券会社でさえ、カウンターレディは、公社債投信などのリスクの低い投信までしか扱わないものでした。
それが今では、銀行でも女性職員が仕組み債や投信などリスク商品をドンドン薦めてきます。
男女平等の時代ですから当然なのですが・・・
女性職員は、そんなことをしない時代をずっと生きてきた高齢者にとっては、金融機関にだまされる大きな要因となっています。
だまされた老人に聞いてみると〜
「自分の娘のように優しくしてくれた女性職員が薦めたのが、まさかこんなリスクある商品だったとは・・・」
「男の営業ではないので、つい心を許して信用してしまった・・・」
〜といった声が後を断ちません。
詰まる所は、「自己責任」ということなのでしよう・・・
しかし、若い人でも笑っていられませんよ。
やはりギラギラした男の営業なら注意することでも、女性の優しげな営業には、だまされてしまうのは、世代を問いません。
どの金融機関でも、そのような女性の特性を活かすように、特に、高齢者向けの営業に積極的に登用しています。
くれぐれも、だまされないよう気を付けましょう。

<だまされる高齢者のキーワードB:「見栄」!>
金融機関にだまされてしまうもう一つ別の要因として
「見栄」があります。
特に高齢者になってから退職金の運用などで金融機関を積極的に利用することとなった方に、良く見受けられます。
金融機関は、儲けるために〜
「お客様には、これ位の額が普通・・・」
「統計での平均額は・・・」
〜などと言うことが多いものです。
これも、金融機関の常套手段です。
皆様に覚えておいて欲しいのは、ピンとキリの差が激しい金融関連の統計において、平均額はあまり当てにならないということです。
例えば、「平均貯蓄額が1500万円」などというデータがあったとしても、決して単純に信じてはいけません。
このような場合、億を超える貯蓄を持つ少数の高額貯蓄者の存在が、著しく平均額を押し上げるものです。
金融機関は、そんなことは承知の上で「平均額」を使用してきますので気を付けましょう。
ちなみに、そのようなデータを金融機関に提示された場合、「中央値」を聞いてみましょう。
一目置かれることまちがいなし。
その上、金融商品に関わるデータの場合、中央値の方が適切な場合が殆んどです。
平均値を提示しておいて中央値も知らないような金融機関職員はアホなので相手にしない方が良いです。
私たちは、商品選択の際に「松・竹・梅」があった場合、とりあえず「竹」を選んでしまったりしてしまうものです。
金融商品の選択においても、寿司でもないのに〜
「平均額は・・・」
「普通は・・・」
〜などという金融機関のデータをを気にして、見栄を張ってしまいます。
特に、退職金などで手持ちにゆとりのある高齢者にこのような傾向が強いので、くれぐれも気を付けましょう。




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2024年08月22日

<かんぽ生命、高齢者だます非道な手口!> → かつての牧歌的な「郵便局」はもう無いことを認識しましょう! 

<かんぽ生命、高齢者だます非道な手口! 不適切契約9万件超…家族同席なしに販売、発覚後は局員口止め >  2019.7.14
 保険料の二重払いや無保険など9万件超の不適切契約が発覚したかんぽ生命保険で、70歳以上の高齢者に保険を勧誘する際、社内規定に反し、家族を同席させない事例が多発していたことが分かった。高齢者が1人でいる状況を狙い、契約内容を十分に理解させずに販売したことが不利益契約やトラブルにつながったとみられる。郵便局に対する高齢者の信頼を悪用したことは許されない。
 かんぽ生命と、保険を委託販売する日本郵便は2013年10月から70歳以上の高齢者に勧誘する際、原則として家族の同席を義務付ける規定を定めている。「同席した」と虚偽報告をすれば、販売員が勧誘停止の処分を受けることもある。
 しかし複数の関係者によると、実際には家族の同席なしに販売するケースが多く確認されているという。関西在住の70代の母親が勧誘を受けた女性によると、17年に郵便局員が母親に保険加入を打診。被保険者となる女性に連絡が入ったため過去の契約を調べたところ、15年から毎年保険に加入していたことが判明した。家族が勧誘や契約時に同席したことは一度もなかった。
 東京都内の高齢女性は、局員から契約書に「同席拒否」と書くよう指示されたという。高齢者が拒否すれば同席なしでも販売できる例外規定を悪用したとみられ、女性の長男が気付きトラブルとなった。
 金融庁は14年2月、高齢者に保険契約を説明する際、家族の同席を求める監督指針を示し、生命保険協会も同様のガイドラインを定めている。
郵便局の店頭に自身の契約を心配する高齢者が訪れるなど相談が相次いでいることから、かんぽ生命と日本郵便は保険商品の営業自粛を始めた。
 かんぽ生命の植平光彦社長は10日の記者会見で「適正な販売にフォーカスして進めていきたい」と述べ、営業を自粛する考えはないと説明したが、問題の拡大を受け、自粛に追い込まれた。
 悪質な販売手法などを告発する局員が続出するなか、日本郵便は今月11日、局員が顧客情報や社内文書などを会員制交流サイト(SNS)に書き込まないよう社内通達を出したが後の祭りだ。
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👀 現在の高齢者が現役時代には、「郵便局」「郵便屋さん」といえば、まだまだ牧歌的な雰囲気を残していた時代だったでしょう。
しかしながら、現在の郵便局は、もうそんな牧歌的な存在ではないことは、正しく認識しておかないと「ダマされる」ことになります。
特に、高齢者の場合、かつての牧歌的なイメージがどうしても忘れられず「保険屋」「証券会社」といった他の金融機関より警戒心をなくしてしまう面があります。
これは「銀行員」にもみられる傾向で、高齢者の現役時代には、まだバブル期以前で、良きにせよ悪きにせよ「銀行員」と言えば「エリート」「真面目」「堅物」・・・みたいなイメージで公務員などを除いた民間企業の中でも信用ある職業の代表格でした。
また、女子行員も真面目で「お嫁さん候補」的なイメージが浸透していました。

<現在の郵便局とは!>
バブル期以降、郵政民営化もあり、厳しい事前規制も無くなった上に事後規制による自浄作用もない、魑魅魍魎たる金融機関が跋扈する、弱肉強食の金融市場の一員に郵便局(かんぽ生命・ゆうちょ銀行含む)も加わりました。
当然、郵便屋さんの在り方も変わり・・・牧歌的なイメージは崩壊!
実際、郵便局自体も昔ながらの限定された金融商品だけでなく、「保険」「証券」「信託」といったリスクの高い金融商品も扱うようになりました。
当然「郵便屋さん」の印象も様変わり!
昔でいうところの「株屋」・「不動産屋」・「保険屋」・「サラ金」の捉えどころのない集合体になってしまいました。
 
<今回の記事の教訓>
 今回のような記事を見ても、まだまだ多くの人は〜
「郵便屋さんの中にも、たまには客をダマして金融商品売るような人もいる・・・」
「大半の郵便屋さんは真面目に・・・」
〜等といった、通り一遍の他人事な認識しか持たないものです。
しかし、性悪説な話で悪いですが、世の中に出て来る悪事の大半は、氷山の一角に過ぎません。
「ゴキブリは一匹見たら百匹はいる」と言われるように、上記の記事を見て認識すべき事は、以下のようなものです。
「郵便屋さん」も今では昔の様な“牧歌的な”存在ではなく、あわよくば利益の大きい金融商品を売り付けようと虎視眈々と狙っている・・・それが現在の郵便局の実態!」
「切手ハガキ」を買ったり「書留」を送ったりする以外は、気を引き締めてダマされないように気を付けないとイケません!
郵便事業があることで、“金融機関”感が薄まっているのが、今となっては「郵便局」「郵便屋さん」の本当の怖さ!
 兎にも角にも、もはや現在の「郵便局」は、バブル前の郵政省時代の牧歌的だった「郵便局」ではないことを再認識しましょう。
特に、高齢者の方は、現役時代に馴染んだ「郵便局 ≒ 官営」のイメージをそのまま抱いているケースが多いものです。
現在では、言葉は悪いですが「郵便局 ≒ お客様をダマしてナンボ!」という時代になっていることをくれぐれもお忘れないように!




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posted by 隊長 at 15:28| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする