<高齢ドライバー実車試験、2022年5月開始へ サポカー限定免許も> 2021/11/4 毎日新聞
警察庁は4日、高齢ドライバーの事故対策として、免許更新時の運転技能検査(実車試験)制度を2022年5月13日に開始する方針を明らかにした。事故を起こしにくい安全運転サポート車(サポカー)だけを運転できる限定免許制度も同日に始める予定。
これらの制度は20年の通常国会で成立した改正道路交通法に盛り込まれていた。意見公募後に決定する。
運転技能検査の対象は75歳以上の高齢者のうち、免許更新時の誕生日160日前を起点として、そこからさかのぼった3年間に信号無視や速度超過、横断歩行者の通行妨害など11類型の違反をした人。22年10月12日以降に誕生日を迎える人が該当していく。
検査に合格しないと免許更新ができない。受検期間は免許更新期間満了日までの6カ月間で、繰り返し受けられる。
サポカー限定免許は本人の申請に基づいて交付する。買い物などで使うために免許の自主返納に踏み切れない高齢者だけでなく、運転に不安を覚えるドライバーであれば年齢に関係なく切り替えられる。危険を察知すると自動的に回避措置をとる衝突軽減ブレーキや、ペダル踏み間違え時の急加速を防止する装置が付いた車を想定しており、同庁は21年中にも、どのような機能の車が適用されるかを公表する。
また、タクシーやバスの運転に必要な第2種免許の受験資格を、「21歳以上で普通免許保有3年以上」から、特別な教習を修了すれば「19歳以上で普通免許保有1年以上」に緩和する制度も22年5月13日に始める方針。ドライバー不足を解消したい業界の要望を受けて実施する。【町田徳丈】
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👀 高齢ドライバーの事故が社会問題化して久しいですが、今回もその対策が来年から強化されますね。
対象となるのは「〜運転技能検査の対象は75歳以上の高齢者のうち、免許更新時の誕生日160日前を起点として、そこからさかのぼった3年間に信号無視や速度超過、横断歩行者の通行妨害など11類型の違反をした人〜」ということなので、それほど多くの対象者とはならないと思われます。
また、今までの対策においても、そのイメージに反して、実際に免許更新に至らないケースは非常に限られますので、高齢の親御さんの運転問題で悩んでいる皆様は、あまり期待しすぎないことが肝要です。
「今回の対策(実車試験)が出来たから、うちの父も免許更新できないだろう!」などと考えないことです。
なぜそう言えるかというと・・・
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※「改正道路交通法(高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し)の施行に向けた調査研究報告書について」より抜粋
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👀 法改正前の検討でも、75歳以上の免許更新の対象者212.5万人の内、今回の制度の対象となるであろう人数は15.3万人(7.2%)、1回目の検査で合格基準に達しない者3.5万人(1.6%)とされています。
1回目で不合格でも6カ月の間で何回でも受け直せるので、最終的に免許更新できない人は、1回目の検査で合格基準に達しない者の内10人に1人位になってしまうではないでしょうか!
つまり、この制度があるからと言って、殆どの75歳以上の高齢者は、免許更新できてしまうと考えておいた方が正しいイメージでしょう。
今回の制度も高齢者の運転問題への対策が増えたことは非常に良いことで評価に値します。
しかしながら、“現実に”認知機能が衰え始めた親御さんの運転問題を抱えているご家族の皆さんは、手放しで喜ぶだけではいけません。
「今回の制度で対策の対象になるだろうから、免許更新できない!!」と妄信してはいけません。
特に認知症の診断が出ていて「運転をやめさせる」ことが喫緊の問題である場合は、免許更新時に更新できてしまわないように警察・免許試験場等に協力を仰ぎ、免許更新できない様に周到に準備されることが肝要です。
折角の「運転をやめる」のに良いきっかけである「免許更新」ですが!
逆に言えば、更新できてしまうと「お上からのお墨付き」を得た事になってしまうので、厄介なことになってしまいますから・・・
2021年11月10日
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