警察庁は運転技能検査の実験を体験した75歳以上の高齢者218人に対するアンケート結果を公表した。不合格となった場合の対応を聞いたところ、運転継続を望む「合格するまで受検し、同じ免許を継続」と「合格するまで受検し、サポカー限定免許に切り替え」が合わせて145人(66・5%)に上った。「すべての免許を諦める」は47人(21・6%)だった。
運転継続を目指す回答が6割以上になったことについて、NPO法人「高齢者安全運転支援研究会」の岩越和紀理事長(74)は「運転できなくなると人生の幅が狭まるので、車を手放せないと考える高齢者が多い」と指摘する。一方で「技能レベルが低ければ免許の自主返納など運転を諦める人も一定数おり、客観的な評価で運転技能と向き合う機会になればいい」と話す。
高齢ドライバーを巡っては、車の運転ができなくなった際に「生活の足」としての代替手段の確保が以前から大きな課題となっている。同じアンケートでは、軽乗用車よりも小さく、時速約30キロまでしか出せない乗り物(超小型モビリティー)に限定する免許があれば取得する意向があるかを聞く項目もあった。回答は「(それよりも)普通の自動車を運転したい」が58・7%と最多で「特典があれば乗り換えたい」「購入しやすいなら乗り換えたい」と免許に関心を示したのはともに1割台にとどまった。
岩越理事長は「超小型モビリティー限定は運転技能の衰えを認めることになり否定的なのでは。普通免許こそが運転免許との思いが強い」と推測する。【町田徳丈】
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👀 理解力や判断力が衰えて来ているが、運転はまだ続けている高齢な親御さんを持つご家族は、上記の記事を読むと忸怩たる思いを抱かれるのではないでしょうか?
75歳以上で免許更新時の運転技能検査に不合格となっても、「すべての免許を諦める」のは(21・6%)しかいないのですから・・・
そもそも下記の記事を見てもわかりますが、現在の運転技能検査は、(本当は認知症だと運転免許は取消になるのですが)かなり重い認知症でなければ、落ちないぐらい許容度が高いのです。
それでも、不合格になるということは、本当のところ「即刻運転止めてもらいたいレベル」です。
それでも大半の高齢者は、再受検を繰り返してでも合格を目指そうというのですから・・・ゾッとしない話ですね。
高齢の親の車の運転を止めさせることの難しさが分かると思います。
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<信号無視など違反11種対象 75歳以上の運転技能検査 警察庁有識者会議が報告書> 2021.3.11
高齢運転者対策を検討する警察庁の有識者会議は11日、改正道交法で義務化される運転技能検査(実車試験)の対象について「免許更新通知が届いた時点から過去約3年間に、信号無視など11種類のうち1つでも違反をした75歳以上」とする報告書をまとめた。同庁は報告書に基づき詳細を詰め、令和4年6月までに改正法を施行する考えだ。
対象者は教習所などで実際に車を運転して検査を受ける。免許更新期間中は繰り返し受検可能だが、不合格の場合は更新できない。
11種類の違反は信号無視のほか、逆走などの違反、追い越し車線などの走行、速度超過、Uターン禁止などの違反、踏切不停止や遮断機内進入、交差点右左折時の違反、交差点進行時の違反、横断歩行者妨害、前方不注意など安全運転義務違反、携帯電話を操作しながらの運転。
報告書は、4年には約15万3千人が検査対象となり、うち22・9%に当たる約3万5千人が最初は不合格になると試算している。
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👀 令和4年から始めるということですが、そもそも試算段階で〜
「4年には約15万3千人が検査対象となり、うち22・9%に当たる約3万5千人が最初は不合格になると試算している。」
↓
皆様は、どうお考えでしょう?
私は、この対策も、やらないよりは良いと思いますが・・・
そもそもの対象が「信号無視などの違反をした75歳以上」ということを考えると「22.9%」しか最初に不合格にならない時点で「相当に甘い」と覚悟しておいた方が良いと思います。
なぜなら、違反をした75歳以上の高齢者でも8割位は、難なく合格してしまうということだからです。
そのうえ、最初に落ちても期限までは「繰り返し」受検できますから、最初に落ちた高齢者もかなり救済されてしまうでしょう。
記事には、書いていませんが、最終的に不合格となるのは、「繰り返し受検」しても合格できない高齢者だけになるでしょうから、ごくわずかになってしまうでしょうね。
親が認知症になって運転問題にも直面した者としては、75歳以上の高齢者が違反したあたりで免許を取消にしてほしいと思ってしまいますね。
いずれにしても、少なくとも認知症の親御さんを持つご家族は、令和4年から始まる「信号無視など違反11種対象 75歳以上の運転技能検査」の制度に対しても過度な期待はしない方が良いことは肝に銘じておきましょう。
「65歳以上の5人に一人は認知症」ともいわますので、75歳以上ならなおさらです。
しかし、令和4年からの「信号無視など違反11種対象 75歳以上の運転技能検査」では、交通違反をした高齢者のうち「22.9%」しか最初に不合格にならない程度の想定ですから、「信号無視など違反をした75歳以上の高齢者」5人に一人も不合格になりません。
結局のところこの制度で免許の更新ができなくなるのは、相当に進んだ認知症状態の方だけでしょう。
しかしながら、現在よりは対策が進みますので、無駄と言っているのではありません。
ただ、過度な期待は禁物であることを本当に認識しておいて頂きたいです。
決して、「令和4年から始まる「信号無視など違反11種対象 75歳以上の運転技能検査」の制度があるから、「うちのおじいさんも、さすがに免許は更新できないだろう!!」などと思わないことが肝要です。
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