九州の郵便局員による保険の違法営業を記した内部文書(右)。相次ぐ不祥事を受け、適正な営業を呼び掛ける文書もある
長年培った地域からの信頼を逆手に取り、高齢者に不必要な保険契約を結ばせる。客に不利益になるような保険の「乗り換え」を勧める…。日本郵便の内部資料で明らかになった不適正な営業の実態。民営化以降、全国の郵便局では収益の向上が求められており、専門家は「現場に過重なノルマが課されていることが一因」と指摘する。
「認知症の父は契約内容を理解できていないのに契約を結ばされた」
「90歳の父の月額保険料が50万円近くになっている」
「高齢者をだます振り込め詐欺と変わらないのではないか」
内部資料には、客や家族からの苦情が多数記されていた。日本郵便が昨年12月に全局員向けに出した文書には「全国の消費生活センターへ寄せられた生命保険についての相談件数は、他社が減少する中、郵便局に関しては増加傾向にある」との記述もあった。
同社は対外的には「郵便局への苦情は減っている」と説明しているが、九州のある局員は「客に納得してもらって穏便に済ませた案件もあり、改善されているとは言い難い」と明かす。
2015年度以降に発覚した不適正な事案の中には、局長自らが法律で義務付けられた説明を怠ったり、局内の不祥事を隠蔽(いんぺい)したりしたケースもある。
別の局員は「高齢者は郵便局員だと名乗ると安心して家に上げてくれる。そこにつけ込んで高齢者をだますような行為が続けば郵便局への信頼が失われてしまう」と危機感を募らせる。
目標達成のため、客の保険料を立て替えて処分されるケースも
「平日に時間がなければ土日に営業しろ」「給料はどこから稼ぐんだ」。九州のある郵便局では、毎日のように幹部から営業成績を伸ばすよう指示されるという。外回りの営業局員だけに設定されていた「営業目標」は5年ほど前から窓口担当にも課されるようになった。達成できなければ、反省文の提出や研修会への参加を命じられるという。
日本郵便は「個々の局員の営業目安は、局員が納得する形で設定している」と説明するが、「営業先は増えないのにノルマだけが重くなり、精神的に追い詰められて退職する局員が増えている」(局員)。目標を達成するため、客の保険料を立て替えて処分されるケースも相次いでいる。
「経営陣の責任も重い」指摘も
熊本学園大の坂本正シニア客員教授(金融制度論)は「利益至上主義に陥るのではないかという、民営化当初に懸念していた事態が現実に起きている」と指摘。不適正な営業をした局員自身の問題を踏まえた上で「そのような状況に追い込んだ経営陣の責任も重い。地域社会を支える役割をどのように果たしていくのか、経営理念をしっかりと提示してほしい」と話している。
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👀 大昔は牧歌的な存在だった郵便局員も、金融部署の人は「ゆうちょ銀行」の銀行員ですから・・・
あなたの周りにも、「営業マンに言いくるめられてナケナシの退職金で投信(保険・仕組債)など購入したら大損した・・・」といった高齢者が必ず何人かいるでしょう。
もしかすると、自身の親御さんもそうかもしれませんね。
これから、高齢者が金融機関にだまされてしまうケースが頻発する理由を取り上げて行こうと思います。
<高齢者が金融機関にだまされる構図:金融機関に対する認識が基本的に間違っている!>
日本の金融機関のあり方は、1990年代以降大きく変わりました。
バブルが崩壊し、それまでの右肩上がりの経済を前提にした護送船団方式では、どうにも行き詰まってしまいました。
そこで、金融ビックバンにより大幅な規制緩和・自由化が行われ、金融のあり方が大きく変わりました。
特に、2000年代以降、その傾向に拍車がかかりました。
現在の高齢者の皆さんが認識している金融機関と現在の金融機関のあり方は、180度違うものになったと言っても過言ではありません。
<高齢者の銀行像と現在の銀行の実態との違い!>
現在でも高齢者の皆様は、「銀行員」というと「お硬い・・・」「黒縁めがねで・・・」「公務員か銀行員か・・・」といった堅実なイメージを抱いてしまいます。
確かに、それも当然な面もあります。
ついこの間まで、銀行は、少なくとも普通の個人にとっては、普通預金や定期預金といった確定利付きの商品やせいぜい住宅ローンを借りるぐらいの牧歌的な存在でしたから。
それが、現在では、投信や保険といった昔なら保険屋(保険会社)や株屋(証券会社)しか扱わないような商品も、当然の如く扱います。
それどころか、外貨建て仕組債のような高齢者でなくても、顧客はホントに理解して購入しているのか怪しいものまで薦めてきます。
消費者金融(サラ金)さえ(子会社とは言え)銀行が扱っている時代です。
昔は、銀行以外の金融機関は、証券会社は株屋、保険会社は保険屋といわれ、良きにせよ悪しきにせよ、その商売のリスクを現していました。
不動産会社などは、不動産屋はおろか、千三つ屋などと言われたものです。
これでいけば、現在の銀行は、、「株屋でもあり保険屋でもある金貸し」とでも呼ぶのがふさわしい実態になっていると思っておいた方が良いでしょう。
高齢者にありがちな〜
「銀行さんの言うことだから確実・・・」
「銀行さんなら大丈夫・・・」
〜などという牧歌的な時代は、とっくに終わっていることを知りましょう。(ご自身で理解できないようなら、ご家族がよくよく教えてあげましょう。)
三つ子の魂百までではありませんが、まだまだ「銀行さんなら・・・」なんて思っている高齢者は多いものです。
高齢者でも株屋(証券会社)・保険屋(保険会社)・不動産屋(不動産業)・サラ金といった連中には、多少なりともそのリスクが頭にチラつきます。
今では、高齢者の持っている良いイメージを利用できる「銀行」「信託銀行」あたりが、実は一番エゲツナイ商売の仕方をしていることは、頭に入れておいた方が良いでしょう。
<金融機関も「〜屋」さんで認識した方が実態をイメージし易い>
「〜屋」という呼び方を、蔑称だなどという人もいますが、非常にその職を分かりやすくイメージできる良い方法だと思います。(特に高齢者には)
「〜屋」という語感がきつければ、「〜屋さん」でもいいかもしれません。
肉を売るのは「肉屋さん」、魚を売るのは「魚屋さん」・・・
同じように、保険を売るから保険屋さんであり、株を売るから株屋さん。
どうも金融機関というと高尚な商売のように勝手に思いすぎている高齢者が多すぎるように思います。
所詮は、金融機関は、それぞれの金融商品を売り付ける「金融商品屋」と正しく認識していないと、だまされるキッカケになります。
そのような意味では、銀行だけは、なに屋さんかハッキリしない所が、高齢者がだまされる上で、アダとなっています。
とにかく、金融機関は〜
「充実したライフプランが・・・」
「ポートフォリオが・・・、リスク分散が・・・」
「経済情勢が・・・財政が・・・」
〜等々と高尚なことを言ったとしても、その根底にあるのは、「金融商品」を売ること!
金融商品屋さんであることを重々認識して下さいね。
👀 現在の銀行は、高齢者の思うような牧歌的な存在ではなく、生き馬の目を抜くような存在です。
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<銀行員が「一生安泰」ではなくなった深刻背景 儲けられなくなった本業、急増する転職者> 秦 卓弥 : 東洋経済 記者 2018/05/28
ここ5年ほどで、銀行員の転職が急増している。本業の収益先細りや相次ぐ人員と店舗の削減計画の発表で、これまで一生安泰と見られてきた銀行員のキャリアへの不安が顕在化。支店長を目指して勤め上げる出世すごろくは崩れ、銀行を離れる人が続出しているのだ。
・同期の2割しかなれない支店長のポストがさらに減る
『週刊東洋経済』は5月28日発売号(6月2日号)で「銀行員の不安」を特集。銀行員のキャリアの変化やメガバンクの経営戦略、地銀再編の行方などを追っている。
『週刊東洋経済』5月28日発売号(6月2日号)の特集は「銀行員の不安」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
「総合職の同期が100人いて、2割しか支店長代理になれない。この先、支店が減っていけば、支店長になるのは厳しくなる」。都内のメガバンク支店で法人融資を担当する30代の男性は打ち明ける。
支店長代理は、早ければ入行8〜9年目で昇格できる最初の役席(ポスト)。本店でいえば調査役に相当する。同期との出世コースの分かれ目になるポストで、昇格すれば30代前半で年収1000万円が見えてくる。
男性が入行したのはリーマンショック直前の年、バブル入行組(1990年前後入社)のほかに大量採用されたもう一つの世代だ。エリア統括店や本店を経験し、営業成績も同期より高かったが、支店長代理の昇格試験は通らなかった。
「銀行は減点主義。リスクを取って新しい取引先を開拓するよりも、上ばかり見るヒラメ社員が出世する。この先20年を考えると、支店長になりたいと思わなくなる」。男性は現在、外資系金融機関の中途採用試験を受けている。
ポストは減る一方で、ノルマは厳しくなっている。「銀行員はつねに銀行のためか、お客様のためか、選択を迫られる」と話すのは、別のメガバンク支店で個人向けリテールを担当する30代の女性。
銀行員の評価は定性評価のコンピテンシー(行動特性)と定量評価の営業成績で決まる。差がつきやすいのは営業成績で、期末までに目標を達成できるかが、出世や賞与の査定に響く。金利収入が細る中、投資信託や保険など金融商品の窓口販売による手数料収入が、リテール部門の収益柱になっている。
「まじめな人ほど、耐えられずに辞めていく」
だが、「販売手数料が高く、顧客にとってメリットが少ない商品を“お願い営業”で買ってもらわなければ、ノルマを達成できない。まじめな人ほど、耐えられずに辞めていく」。
北関東の地方銀行に勤めていた男性は今年、地方公務員に転職した。法人融資の仕事は、「企業が困っているときに助けられる。やりがいを感じていた」と話すが、2年前に子どもが生まれ、働き方と転勤制度に疑問を感じ始めた。
3年で転勤するたびに、取引先から「また変わったの」と言われる。転勤は県内とはいえ、家族への負担も大きい。上司からは「(転勤を伴わない)地域限定社員にならないか」と慰留されたが、「出世ルートから外れ、割を食うだけ。形式上は地域限定社員も出世できる制度になっているが、何の担保もない。転職して、家族との時間を取れるようになった」。
リクルートキャリアによれば、銀行員の転職決定者数は、2009年度から2017年度までに4.55倍に増えた。全登録者の決定者数が同2.49倍に高まっていることを考慮しても高い水準だ。特に、異次元金融緩和が始まった2013年度ごろから顕著に増加している。リクナビNEXTの藤井薫編集長は、「マクロ環境による構造変化が、銀行員の転職を後押ししている」と分析する。
銀行はいま岐路に立っている。低金利政策により本業の利ザヤは下げ止まらず、キャッシュレス化・人口減少による来店客数の減少は続く。駅前一等地に支店を維持するのは、もはや限界が近い。昨秋、1.9万人の人員削減(全社員8万人の約4分の1に相当、10年間での自然減の計画)を公表したみずほフィナンシャルグループをはじめ、3メガバンクはいずれも中長期的に人員・店舗数を減らしていく計画を発表している。
待遇がいいメガバンクでは「3年離職率は1割、30歳時点でも2〜3割程度」(メガバンクの元人事関係者)と、まだ人材流出は限られているが、収益力に劣る地銀はより深刻だ。首都圏近郊の地銀行員は、「3年前から給与体系が改定され、ほとんど定期昇給がなくなった。若手には不評で、3年離職率は3割を超えている」と話す。
・銀行出身者の6割が非金融業へ
金融業以外への、転職も少なくない。転職サービスDODAの調査では、銀行員の転職先は約6割が非金融業だ。世代別に見ると、30代以降は金融業への転職が過半だが、コンサルやIT・通信、メーカーへの転職者も一定割合いる。「銀行員はベースの能力が高いと見られ、転職市場での評価は高い」(DODAの大浦征也編集長)。
ただ、「肩書きだけで転職できるのは35歳まで。マネジメント経験があっても42歳が限界」(大浦氏)。45歳以上は、コールセンターや人材派遣業などへの転職比率が高まり、専門性を活かしづらくなる。大量採用世代で最も層が厚い、現在50歳前後のバブル入行組はポストや出向先がなく、状況はより深刻だ。
銀行業の収益モデルが大きく揺らぐ中、銀行員の生き方も転換を迫られている。
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