「未公開株」や「社債」の他、「外国の通貨」「事業への投資話」など詐欺的な投資勧誘をめぐる消費者トラブルが、高齢者を中心に依然として多く発生しています。
また、最近では特に、以下のような、無登録の海外事業者による詐欺的な投資勧誘のほか、若年者に対する詐欺的な投資勧誘、仮想通貨に関する詐欺的な投資勧誘によるトラブルも目立ってきています。
海外に所在するとしている業者が、金融商品取引法に基づく登録を受けずに国内の消費者に対して勧誘を行い、トラブルになっているケース
金融商品取引法に基づく登録を受けていない業者(無登録業者)等が、セミナーやSNS等を通じて若年者に「投資話」を持ち掛け、消費者金融等から借り入れをさせて投資させるなどし、トラブルとなっているケース
仮想通貨で海外事業者に投資をすると大儲けできると勧誘を行い、配当や預かった仮想通貨の払い戻しに応じずにトラブルとなっているケース
投資勧誘を受けた場合には、業者の登録の有無なども確認し、契約するつもりがなければきっぱりと断りましょう。
金融商品取引業の登録を受けた業者については、「免許・許可・登録を受けている業者一覧」(金融庁)で確認できます。
また、仮想通貨交換業者に係る情報や利用者の方向けの注意喚起等に関する情報は、「仮想通貨の利用者のみなさまへ」(金融庁)で確認できます。
国民生活センターではこれまでも様々な投資勧誘トラブルについて情報提供を行っています。なかには、国民生活センターや金融庁等の公的機関を騙った詐欺的なトラブルもありますので、注意してください。
また金融庁等の関係機関でも注意喚起を行っていますので、参考にしてください。
参考
詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!(金融庁)
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(金融庁)
警告書の発出を行った適格機関投資家等特例業者の名称等について(金融庁)
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<メディアも悪乗りした「いつかはゆかし」の罪 1年で急成長。マスコミやFPの責任は?> 週刊東洋経済
2013年10月19日 鈴木 雅光 :JOYnt代表
(はじめに)これは週刊東洋経済10月19日号からの転載で、内容は同記事執筆時点のものです。金融庁は10月11日、アブラハム社に対し、6カ月間の業務停止命令を発出しています。なお、記事後半のIFA JAPANに対しては「3カ月の業務停止命令」、K2 Investment に対しては「1カ月の業務停止命令」の処分を明らかにしています。
「いつかはゆかし」という一風変わったブランド名で昨年10月から派手な広告を展開していた「アブラハム・プライベートバンク」。関係者の間で疑問視されていたこの特異な金融サービスの素性が、ついに明らかになった。
10月3日、証券取引等監視委員会が無登録で金融商品を販売していたなどと正式に行政処分を勧告。当初は反論していたアブラハム側も監視委の勧告を受け入れる方針を公表したため、10月中にも金融庁は6カ月以内の業務停止を含む厳しい処分を下す見通しだ。
アブラハムは「1億円を貯めよう」などのキャッチフレーズで、海外の複数のファンドラップ商品(複数のファンドを組み合わせて運用する金融商品)を紹介。高い利回りにより安心の老後を送ることができると宣伝してきた。
この投資助言に対し、アブラハムは顧客から預かり資産の約1%の手数料を取っていた。アブラハムの言い分は、1%の手数料以外には何も得ていない、というものだった。これが事実であれば投資助言業者としての適法業務だが、事実はまったく違っていた。
今回の行政処分のポイントは、アブラハムが投資助言業者のライセンスしか持っていないにもかかわらず、金融商品を販売したと見なされる営業行為を行っていたことだ。
具体的には、英国マン島に本拠を置くハンサード社の「アスパイア」というファンドラップ商品を購入するよう、顧客を誘導。契約額に応じた報酬を得ていた。
特定の会社から報酬を得れば、金融商品の販売行為に該当する。金融商品販売業者としてのライセンスを持っていないアブラハムは、海外ファンドを「無登録販売」しており、これが証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反と判断された。
・解約すると全損に
今後の焦点の一つは「いつかはゆかし」の約2800人の顧客と、170億円に及ぶ契約残高の行方。アブラハムの経営姿勢に嫌気が差して契約解除を考える顧客も増えていくはずだ。
しかし、足抜けするのは容易ではない。この手のファンドラップ商品の一般的な特徴でもあるのだが、ハンサードのアスパイアは、運用開始から2年以内で解約した場合、積み立てたカネは顧客の手元に戻ってこない契約になっているのだ。「いつかはゆかし」は昨年10月に販売を始めたばかりであり、すべての顧客が2年未満。解約を申し出ても、積み立てたカネは戻ってこない。戻ってくる可能性があるのは、アブラハムに支払っていた手数料くらいだ。
仮にアブラハムが業務を継続できない状況になったとすれば、契約を解除するにしても、自分でやらなければならない。それも、相手は海外の会社なので、手続きはすべて英語。語学力のない人にとって、これは非常に厳しい。
今回、アブラハムは投資名目で集めた資金を遊興のために費消していたわけではなく、この手の事件では一般的な詐欺罪の適用は現実的ではない。しかし顧客の立場から見れば、詐欺にあったのと同様の悪質さと言えるだろう。
それにしても、なぜ多くの顧客がアブラハムの宣伝を信じたのだろうか。「利回り15%」などの誇大な広告を見れば、直感的にまゆつばものだとわかりそうだ。それでも多くの顧客を獲得できた理由は、メディアを徹底的に活用した点にある。
昨年10月に「いつかはゆかし」を発売して以降、新聞、投資雑誌、テレビなどのマスコミにタイアップ記事を掲載するだけでなく、電車のドアに張り付けられた車内広告、都内高層ビルでのデジタルサイネージ、JR東京駅構内での大型広告など、大規模なプロモーション戦略を展開した。推進したのは、最大手の広告代理店だ。
こうしたメディアを活用した派手なプロモーション戦略だけでなく、アブラハムはさまざまな手練手管を駆使し、自社のビジネスの正当化を図ろうとしていた。
たとえば、広告塔の存在だ。アブラハムのグループ会社である「海外投資新聞」のサイトには、竹中平蔵・慶應義塾大学教授、岩田規久男・日銀副総裁(当時は学習院大学教授)をはじめとする著名人が顔をそろえている。一般の人の家計相談やアドバイスを行っているファイナンシャルプランナー(FP)の中にも、アブラハムを応援するメッセージを、自らのブログに書きつづっていた人がいる。海外ファンドに投資する際の注意点といった一般的なエクスキューズを入れながらも、「いつかはゆかしに共感」、「いつかはゆかしの魅力的な点」など、結局のところ同社の魅力を打ち出した歯の浮くような記事をブログに掲載していた。
この手のブログの一部は、今回の行政処分のニュースを受けて、「一部報道にもとづき、事実関係が確認されるまで掲載を停止しております」としているものの、多くは掲載されたまま。日本FP協会が認定しているCFP(上級ファイナンシャルプランナー)の有資格者にしてこの体たらくである。
短期間でアブラハムが急成長した背後に、マスメディア、FPの下支えがあったことは紛れもない事実。今後、検証がなされていく必要があるだろう。
・報酬はSTI経由で還流
証券取引等監視委員会はアブラハムとほぼ時を同じくして、IFAジャパン(代表:荒川雄一氏)、K2インベストメント(代表:河合圭氏)にも行政処分勧告を行った。アブラハムと同様、海外のファンドラップを無登録販売したことが問題視されており、やはり業務停止命令が下されることになりそうだ。
ただ、アブラハムと2社のスキームには大きな違いがある。アブラハムは、
図のように販売報酬を還流させるための複雑なスキームを構築している。ファンドラップ会社からの報酬を、バージン諸島に設立した「サゲイシャス・トレンド・インターナショナル(STI)」という海外の関係会社で受け取り、その資金をアブラハム・グループ・ホールディングス経由でアブラハムに還流させていた。
こうした複雑な資金還流スキームを構築しておきながら、所得に対して誠実に税金の申告をしていたのかどうか。全容解明には時間を要することになりそうだ。
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<安愚楽訴訟で海江田氏、「因果関係不明」と争う姿勢> 2013.3.25 MSN産経ニュース
和牛オーナー制度が行き詰まり破綻した安愚楽牧場(栃木県)をめぐり、海江田万里・民主党代表が経済評論家時代に書いた記事を読んで出資し損害を受けたとして、出資者30人が6億円余りの賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、東京地裁(志田原信三裁判長)であった。海江田氏側は「執筆と損害との因果関係が不明で、法的責任はない」と請求棄却を求めた。
約5500万円を出資した40代の男性原告が意見陳述し「自宅を購入するための蓄えなどが破綻で紙くずとなってしまい、途方に暮れている。海江田氏の本に出合わなければ被害に遭わなかった」と訴えた。
訴状によると、海江田氏は1987〜92年ごろ、「リスクはゼロ」などと書籍や雑誌で紹介。出資者側は「投資の専門家として影響力があったのに調査や説明を怠った」と主張している。
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👀 安愚楽牧場の和牛オーナー投資を当時大々的に薦めていた海江田氏を例にとるまでもなく・・・
世には、ありとあらゆるマネー情報が溢れています。
当然、それらは金融資産の多くを保有する高齢者をターゲットとし、虎視眈々とダマす機会をうかがっているといって良いでしょう。
HPや雑誌などのマネー情報の多くは、評論家やFPなどが客観的に書いている記事の形を取りますが・・・
実態は、バックにいる金融機関の代弁者であり、受け売りの情報をいかにも専門家としての中立な見解かのように伝達するのでタチが悪い。
たとえば、和牛オーナー投資などという、どう考えても不確実でリスキーな投資でも、高名なマネー評論家海江田氏が〜
「安全・確実・・・」
「私も購入・・・」
〜なんて情報を垂れ流せば、一般の人は信じてしまうでしょう。
高齢者なら尚更です。
実際は、安愚楽牧場からリベートでももらって提灯記事書いていたことは想像に難くない。
そうでもないのにこんな提灯記事を書いていたなら、それはそれでただのおバカに過ぎません。
<マネー情報の裏には、必ず誰かの意図が有る!>
ただ、このようなケースは、安愚楽牧場の件に限らないのですよ。
否!
世に溢れるマネー情報など程度の差はあれ、似たような物だと思っておいて間違いありません。
だいたい本当に確実に儲かる情報など有るなら、そんな情報を人に容易く教えません。
ホイホイ公表している時点で、そんな情報は「宣伝」か「リベート貰って書く提灯記事」…etc、いずれにしても誰かが何らかの意図をもって流している情報であることに違いありません。
<「マネー・投資」情報など占いのようなものと心得ましょう。>
世には、マネー情報が溢れかえっていますが、逆説的に言えば、溢れかえる程の情報があること自体が「本当に儲かる情報」など無いことの証明なのです。
本当に儲かる情報が有るなら・・・
すべての情報は、それについての情報に集約されるはずなのですから!
「プロが運用するアクティブ投信は、平均するとインデックス投信より劣る運用成果しか上げられない」ということは通説となっています。
ことほど左様に、投資やマネーのことについては、実際はプロですら分からないというのが、本当のところです。
金融機関の営業にせよ、雑誌・HP…etcといった形の情報にせよ、誰かが自分に「安全確実で儲かる」金融商品を教えてくれる!などと期待していること自体、「ダマされる」一歩手前にいる状態です。
マネー情報は、あくまでアテにならない情報に過ぎません。
最終的には、自分で十分に理解し、自分の収入・資産状況に応じて、取り得るリスクの範囲で実際に投資をしていくことを通じ、自分の投資スタイルを確立するしかないのです。
「そんなことは出来ません」という方は、リスクのある金融商品からは遠ざかっておくことが肝要です。
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