「公平中立」「無料相談」などと謳い、巷に急増中の保険ショップ。しかし中には、そうした甘い言葉で客を巧みに誘導し、意に反した「危ない商品」を売りつける店もある。ダマされてはいけない。
・「良い人そうに見えたのに」
神奈川県在住の酒井真子さん(40代、仮名)が初めて「保険ショップ」を訪れたのは、軽い不整脈で入院したことがきっかけだった。酒井さんには小学生になる息子がいて、共働きで働く夫婦のどちらかに「万が一」があれば、家族が路頭に迷いかねないと思った。
これまで夫婦ともに健康だったし、少しでも貯金を殖やしたかったので、保険には入らなかった。しかし、いよいよそうも言っていられなくなり、近所で評判になっていた保険ショップに相談に訪れたのだが、これが「悪夢」の始まりだった。
酒井さんが言う。
「まず、どういう目的で保険に入りたいのかを聞かれたので、正直に答えました。まずは資産を預金のように安全に運用してくれながら、しかも『万が一』が起きた時に保障をしてくれる保険。それに、子供もいるので教育資金を貯められる保険商品も興味がありました」
酒井さんが保険ショップでそうした「身の上」を話すと、相談員は親身に話を聞いてくれた。
しかも、相談料はなんと無料。そのうえ、相談員は複数の保険会社の商品の中から、「公平・中立」に酒井さんに合った商品を選び抜き、ベストな商品プランを設計してくれると言う。
酒井さんの世帯年収は700万円ほどで生活に不自由しているわけではないが、家族の将来に、より安心感が持てるような保険プランを作ってほしいと頼んだ。
そうした一連の話を聞いたうえで、相談員が提案してきたのは投資型保険。払い込んだ保険料を保険会社が株式などで運用し、その運用結果次第で受け取れる保険金額などが増減する商品である。
酒井さんは後で知ることになるが、実は元本割れのリスクがあり、損をするかもしれない「望まざる商品」だった。
「私はその時は言われるがまま、その保険に入ってしまいました。
しかし、後で保険に詳しい知人に話したところ、『それは危ない、資産を崩しかねない』と諭されて、『やってしまった』と気づかされたんです。しかも、解約した場合は手数料が発生するうえ、払い込んだ保険料が全部は返ってこないということでした」
なぜ、この保険ショップは客が望まない商品を売りつけたのか。ファイナンシャルプランナーの宮崎貴裕氏は言う。
「保険ショップは『乗合代理店』として、様々な保険会社の商品を取り扱い、それを売ることで保険会社から契約手数料をもらっている。手数料は商品によってだいぶ差があります。
本来、彼女にとって望ましいのは学資保険や終身保険など、元本が保証されている保険商品のはず。ところがこれらは、保険ショップが保険会社からもらえる手数料がものすごく安い。一方で、投資型の保険は元本割れのリスクをともなう分、ショップが手にするマージンが大きい。
このケースでは、ショップ側が手数料欲しさに『安全運用』を望む彼女の意向を無視したわけです」
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👀 公正・中立な?アドバイスで、自分たちの実入りの良い保険に乗り換えさせ、新規取扱手数料をくすねる保険ショップが蔓延しています。
この手の銀行・証券・保険の取り扱う金融機関の商品を比較し〜
「中立な立場で」
「無料でコンサルティング」
「お客様のライフプランにピッタリ・・・」
〜といった形態のショップやWebサービスやFPなどが巷にあふれています。
このようなサービスも単独の金融機関の営業マンの言いなりになるよりは幾分マシですが・・・
たとえば、「保険の窓口」のような商売では、所詮「顧客に保険を販売する」という前提は、無くなりません。
そうでなくても日本人は保険に関しては、オーバーインシュアランスな場合が多いのですが〜
「この保険に変えれば保険料安くなりますよ・・・」
〜などと言って、そもそも掛けることを止めた方がいい場合でも、乗換させることが殆んどです。
保険の代理店に詳しくない方は、分からないでしょうが、保険は新規契約取扱い時の代理店手数料が最も割が良いのでどうしても不必要な乗り換えを勧める傾向に走りがちです。
とにかく、商売である以上、「手数料収入が多い商品」に比重を置く傾向からも逃れられません。
元の保険を変更しなくても良いようなケースでも、保険料が安くなる等々と保険に疎い顧客を煙に巻いて新規の乗換契約を手中にしますから・・・
まあ、このような商売をしている側に言わせれば〜
「顧客も保険料が安くなったりで大満足」
「そして、我々も手数料で大儲け!」
〜「一石二鳥でWINWINの商売なのだ」ということなのですが!
この手の商売やFPといった商売も「中立!」ということを大きく謳い文句にしますが・・・
かなり眉唾なケースも頻繫に見受けられます。
本当に良心的に中立な場合もありますが・・・
「中立・・・」と喧伝するものの実態は「ヒモ付き」というケースも多いです。
罪深いのは、「中立」と信じてやってくるような顧客は、実際中立でなくてもそれを見破る力が有る方は余りいません。
いわんや、理解力や判断力が衰えた高齢者など何おかいわんやです。
<本日の結論:「中立!」、「無料!」と大きく宣伝するところは「ダマされやすい」・・・何らかの落とし穴は有ります!>
いずれにしても「中立!」、「無料!」と喧伝するこの手の商売は、一見とても有りがたい良いサービスに思えるかもしれませんが・・・
素人には表面上分からない儲けの仕組みが厳然と存在しますので、参考程度にアドバイスを受け、どうせ無料ですから同様の商売をしている他の会社のアドバイスも必ずセカンドオピニオン、サードオピニオンとして聞いておくことが重要です。
「中立な立場だからキット公正な・・・」
「良いアドバイザーだったな・・・」
〜などと言って、迂闊に契約すると、表面上は保険料は安くなっていたとしても、それが本当に良い選択かどうかは、案外わからないものですよ。
この手の商売の特徴として、「人当りを良くするため」や「ダマされそう」な印象を避ける為に比較的若い女性職員が応対するところが多いものです。
特に高齢者は、娘や孫の様なお嬢ちゃん達に薦められるとダマされるなどということは、ツユにも思わないことが多いので、ご家族は注意した方が良いでしょう。
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