28日、神奈川県茅ヶ崎市の国道で、90歳の女性が運転する乗用車が横断歩道などを歩いていた歩行者を次々にはね、1人が死亡しました。車を運転していた女性は「信号は赤だと分かっていたが、歩行者が渡り始めていなかったので通過できると思った」と説明しているということです。
28日午前11時ごろ、神奈川県茅ヶ崎市元町の国道1号線で、市内に住む90歳の女性が運転する乗用車が、横断歩道や近くの歩道を歩いていた歩行者を次々にはねました。
このうち、女性1人が死亡し、警察は、茅ヶ崎市内に住む57歳の女性とみて確認を進めています。また、63歳の男性と39歳と61歳の女性がけがをしました。
これまでの調べで、車は自動車修理店から国道に出て左折し、横断歩道で歩行者をはねたあと道路脇の歩道に突っ込んだとみられていますが、目撃者の証言から、当時、横断歩道側の信号は青で、警察の調べに対し、車を運転していた90歳の女性は「自分の側の信号は赤だと分かっていたが、歩行者が渡り始めていなかったので通過できると思った」と説明しているということです。
警察は、本人から事情を聴くなどして事故が起きた際の詳しい状況を調べています。
警察によりますと、運転していた女性はことし3月に運転免許証を更新した際、75歳以上のドライバーに義務づけられている判断力や記憶力の検査では問題はなかったということです。
自動車修理店の男性「元気そうだった」
事故現場のすぐそばにある自動車修理店の男性は「事故を起こした車を運転していた女性は自分の店と数十年のつきあいがあるお客さんで、きょうは旅行のおみやげを持ってきてくれていた。事故は店を出た直後に起きたということだった」と話していました。
女性の様子については「年配ということだが、耳も遠くなく、体もおかしくないし、元気そうだった。このような事故が起きて本当にびっくりしている」と話していました。
近くの人は
現場近くに住む74歳の女性は「事故が起きた道路はふだんから交通量が多く、近くには大きなスーパーもあるので、人通りも多いです。さらに、保育園も何か所かあるので、このようなところで事故が起こるなんて怖いと思いました」と話していました。また、この女性もふだんから車を運転しているということで、「高齢者の事故と聞いて、ひと事には思えず、自分も運転するときは気をつけようと思いました」と話していました。
現場近くにあるマンションに住む20代の男性は「当時、部屋にいたら、急にドーンという、何かと何かがぶつかったような音がした。少ししたらサイレンの音が聞こえ、救急車やパトカーがたくさん来ていて驚いた」と話していました。
事故を起こした車は
警察などによりますと、事故を起こした車は赤色の乗用車で、現場近くにある自動車修理店から国道1号線に出て、左折し、10メートルほど離れた横断歩道で歩行者をはねたということです。
そして、そのまま左側の歩道に乗り上げ、交差点の角にある建物に接触して止まったものと見られます。
横断歩道からは数メートル離れたところで、建物の壁には赤い塗料のようなものが付着しているのが確認できました。
事故を起こした乗用車は、午後3時半すぎにレッカー車などによって現場から運び出されました。
車は、ボンネットの左側が大きくへこみ、右側の前輪の付近などにもへこんだあとが見られました。
「すごいスピードで突っ込んだ」
横断歩道の近くで事故の様子を目撃した中学3年生の女子生徒は「信号待ちをしていたら、すごいスピードで車が横切っていき、歩道に突っ込みました。ブレーキをかけた様子はなく、事故を起こした後も運転していた人は車から出てきませんでした。4人くらいがはねられて近くの人が介抱していました」と現場の様子を振り返りました。そして「警察が来てから白髪で少し腰の曲がった高齢の女性が車から出てきました。あたりを見回して落ち着かない様子でした」と話していました。
高齢者ドライバーの事故は
警察庁によりますと、去年1年間に75歳以上の高齢者ドライバーが起こした死亡事故は418件でした。
これは、おととしと比べ41件少なくなりましたが、去年、交通事故で死亡した人が全国で3694人と統計を取り始めた昭和23年以降最も少なくなった中、75歳以上のドライバーが起こした死亡事故が全体の12.9%を占めるなど、深刻な課題となっています。
警察庁によりますと、去年3月に改正道路交通法が施行され75歳以上のドライバーの認知機能検査が強化された結果、去年1年間に運転免許証を自主的に返納した75歳以上の人は全国で25万3937人と、自主返納の制度が始まった平成10年以降で最も多くなっています。
警察庁は「高齢者ドライバーの交通事故対策は喫緊の課題だ。運転に不安を感じる人の適性相談の充実や強化を進め、免許証の自主返納を促進するとともに、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどを防止する『安全運転サポート車』の普及の取り組みを支援したい」としています。
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👀 高齢者による悲惨な交通事故がまた起こってしまいました。
高齢の親御さんをお持ちの方は、考えさせられることが多いことでしょう。
しかしながら、大半の高齢者のご家族は、上記の記事を読んで〜
・「運転していた女性はことし3月に運転免許証を更新した際、75歳以上のドライバーに義務づけられている判断力や記憶力の検査では問題はなかったということです。」・・・まだ、運転能力に問題なかったんだから、運が悪かったとも言えるね!
・「去年1年間に運転免許証を自主的に返納した75歳以上の人は全国で25万3937人と、自主返納の制度が始まった平成10年以降で最も多くなっています。」・・・自主返納もドンドン増えているし、うちの親も衰えてきたら、自主返納するでしょう!
〜等々と考えて、結局は、自分の親の運転問題を先送りしてしまいます。
<実際に親の運転(免許)問題を経験した者として、この記事から皆様に感じ取って頂きたい事とは!>
まず大事なのは、運転していた女性が今年3月に運転免許証を更新出来ていることです。
つまり数か月後に、甚大な交通死亡事故を起こすような高齢者でも「免許の更新」は出来てしまいます。
これは、本当に大切な認識すべき事実です。
文句を言おうがどうしようが・・・現在の運転免許更新制度の運用の実情です。
このブログの過去の記事でも再三取り上げていますが、現在の免許更新制度の運用で、「免許の更新」ができない高齢者は、ごく僅かと言って良い水準でしかないことを改めて認識しておきましょう。
今回の事故のケースでも、推測ですが、90歳の女性は免許の更新も出来たということで「まだまだ私は、判断力や記憶力も十分!お国も太鼓判を押して下さった!」といった気分だったことでしょう。
<教訓>75歳以上のドライバーに検査が導入されたとはいえ「免許は更新できてしまう!」と思っておきましょう。
親の運転問題を経験して分かったことは、道交法上では「認知症」と診断された場合、免許は「取消(ないし停止)」ということになっているのですが・・・
しかし、これもあくまで法律の文言上であって、実際の運用では「親が認知症になったので免許を取消しにできませんか?」と言っても、そうしてくれることはまず有りません。
必ず「自主返納」を勧められます。
「自主返納」とは言いますが・・・近年増加している自主返納のかなりの部分は、親が認知症になったり、理解力や判断力が落ちて、止むに止まれず家族がアプローチしているものが大半でしょう。(ある意味、高齢者の家族に運転問題は丸投げ状態に近い。)
残念ながら「認知症」になってしまった高齢者は、逆に自分の運転能力も正しく認識できなくなるので「自主返納」など、易々とはしてくれません。
それどころか、良かれと思って「自主返納」を薦める家族を敵視して、家庭も崩壊しかけます。
上記の記事で〜
「警察庁によりますと、去年3月に改正道路交通法が施行され75歳以上のドライバーの認知機能検査が強化された結果、去年1年間に運転免許証を自主的に返納した75歳以上の人は全国で25万3937人と、自主返納の制度が始まった平成10年以降で最も多くなっています。」
〜と、如何にも自主返納を進めていますよ!対策をしていますよ!とお上としてのアピールに努めていますが・・・
現在、75歳以上の免許保有者は、600万人を超えるといわれており、高齢者の増加に伴いまだまだ増加中です。
一方、「65歳以上の7人に1人は認知症」と言われているので、600万人を超える75歳以上の免許保有者のうち、少なく見て7人に1人は認知症=85万人は認知症の免許保有者であるとも言えます。
<教訓>認知症の親の運転問題は、自主返納が最高ですが、本人が抵抗するため無為な時間を過ごしたり、先送りするぐらいなら・・・車を最新の自動ブレーキ等の装置の付いた新車(軽など小型で事故の時歩行者などに与える被害の小さいものが良い)にするという対処を取りましょう!
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