2018年01月05日

「ハートフルパートナー」か・・・リスクある金融商品商品を営業する金融機関のイメージ戦略に気を付けましょう!

<100歳時代 注目される「金融老年学」 お金の制約なく生活できる期間と寿命の一致を>   2018/1/2 産経新聞
 「100歳時代」では、リタイア後の期間が従来に比べて一段と長くなりそうだ。何歳まで生きるのか分からず、公的年金も将来的に頼りにできない中、金融資産が途中で底をつかないようにすることが重要になる。長寿や加齢が経済や金融行動に与える影響を研究する「ファイナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)」という分野が注目されており、野村証券を傘下に持つ野村ホールディングス(HD)などが取り組みを強化している。
 「金融面の制約がなく生活できる期間を示す『資産寿命』を、生命寿命と可能な限り一致させることが、金融老年学の主な目標だ」
 野村HD傘下の野村資本市場研究所の野村亜紀子研究部長はこう指摘する。
 野村証券が行った興味深い試算がある。60歳までに1500万円の金融資産を蓄え、2800万円の退職金を受け取ったとする。リタイアして勤労収入がなくなる中、年率0・5%の緩やかな物価上昇のもとで老後を過ごすとどうなるか。まったく運用しなければ、79歳で底をつく。「低リスク・低リターン」といえる年平均1・0%の投資収益率で運用したとしても、83歳までしか持たない−。
 野村HDは2つの取り組みで高齢の顧客への対応を図っている。
 1つは、平成28年10月に慶応義塾大学と開始した共同研究だ。慶大は同年6月に「経済研究所ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター」を設立。野村グループの顧客基盤や実務経験と、慶大の医学や経済学など各分野の専門家、学術的な成果を組み合わせることで、金融老年学を開拓する産学連携の試みだ。
 慶大で同センター長を務める駒村康平教授は「高齢者の心理や認知の変化に対応するような金融サービスのあり方が求められているのではないか」と話す。
 もう1つは、野村証券で29年4月に導入した高齢の顧客やその家族を専門で担当する社員「ハートフルパートナー」だ。足元では約60店舗に約70人おり、今年3月までに原則として全ての店舗に配置し最適なサービスを提供したい考えだ。
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👀 新年早々、一般論としては良い内容ですが、現実的には「ハートフルパートナー??」と懐疑的にならざるを得ない記事ですね。
金融機関に詳しい人ならこんな英語やカタカナ呼称は、イメージアップ目的に過ぎず金融機関の営業姿勢の本質とは関係ないことは分かるのですが・・・
ごく一般の消費者。
特に高齢者では、そもそもカタカナや英語の名称など出されると〜
なにか今までとは違う専門的な職種?
英語の呼称名乗るのだから、英語が堪能で国際的な金融知識も持っている?
〜などと素直に思ってしまいます。
 そして、そのような「エライ人」が〜
「客観的に、専門知識を・・・」
「無料で親身に・・・」
「顧客のライフプランに合わせて・・・」
〜最適な金融商品を薦めてくれる。
などと信じてしまいます。
こんな捉え方こそ、金融機関の思う壺です。

<金融機関の営業姿勢に正しい理解を!>
 営業職員にどんなカタカナ呼称・英語呼称がついていようと、金融機関はボランティア活動ではありませんので、金融機関が儲かることを最優先に営業活動を展開します。
決して、金融機関の利益を犠牲にしてまで顧客の利益を考えるなどということは有りません。
こんなことは、営利企業ですから当然なのです・・・
もっと分かりやすい例で説明しましょう。
たとえば、車の購入の場合。
日産の営業マンが車を顧客に薦める場合、本音では、その顧客の希望・家族環境などを考慮すれば「トヨタのプリウス」が最適だと思ったとしも、決してそんな提案はしませんよね。
絶対に日産の車、その中でも、顧客が購入できるできるだけ利益の大きい車を薦めるに決まっているのです。
ところが「ハートフルパートナー」「投資コンシェルジュ」「ファイナンシャルプランナー」「FA」「ライフプランナー」・・・などと言われると、ついつい顧客の側も正しい判断力を失い・・・呼称はともかく単なる「金融機関の営業職員」が「自分のために客観的に最適な金融商品を選んでくれる!」なんて期待してしまいます。
そんなことは、車の購入で考えれば、「日産の営業マンがトヨタの車を薦めてくれる」ことを期待しているようなものなのです。
金融機関が自分のために最適な金融商品を無料で選定してくれている・・・なんて思いこむことが、金融機関の思う壺で、「ダマされる」第一歩であることを肝に銘じておきましょうね!

<金融機関が営業職員に与えるイメージ呼称(資格)の例>
 最後に、金融機関が営業職員のイメージアップに利用するカタカナや英語の呼称(資格)を例示しておきましょう。
金融機関の職員がこのような資格(呼称)を名刺に書いてあっても、その人がその資格(呼称)を保有しているということで、それ以上でもそれ以下でもありません。
まして、顧客の利益のためだけに専念してくれるなどと言うことは、全くありません。
カタカナや英語の醸し出すイメージで勝手にそんなことを思い込まないようにしましょう!

これだけ挙げてもまだまだ全部ではありませんが、ご参考までに!

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※国家資格:国家が認定しているので知識や能力面の信頼性は高い。
FP技能検定(1-3級)、金融窓口サービス技能士
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※民間資格:業界団体や企業自体が認定しているので知識や能力面の信頼性は国家資格よりはそれなり
投資コンシェルジュ、FA、ライフプランナー、投資アドバイザー
CFA 、CMP、FA検定、
CFP・AFP(Cの方がAより上級なので要注意、なおBFPは無い)
『トータル・ライフ・コンサルタント〔生命保険協会認定FP〕(略称TLC)』
『シニア・ライフ・コンサルタント(略称SLC)』
『ライフ・コンサルタント(略称LC)』
相続診断士、相続コンサルタント、相続アドバイザー
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posted by 隊長 at 12:03| Comment(0) | 金融機関ダマしの構図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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