16年11月、立川市の災害医療センターで2人が死亡した事故現場。車は歩道に乗り上げ、2人をはねた
高齢ドライバーによる死亡事故が後を絶たない。3月には75歳以上の運転者が免許を更新する際の認知症対策を強めた改正道交法が施行される。日刊スポーツは、事故が招く悲劇を直視し、運転が困難になった高齢者が免許を返納できる社会のあり方を考える。
◆改正道路交通法 3月12日から施行される改正道路交通法では、75歳以上の高齢運転者の認知機能について、チェックが厳しくなる。信号無視や逆走など、認知機能が低下したときに起こしやすい18の違反行為をした場合、「臨時認知機能検査」を受けることが義務付けられる。認知症の恐れがある「第一分類」とされると、臨時適性検査(専門医による診断)を行うか、医師の診断書の提出が必要となる。この診断で認知症が認められれば、免許取り消しまたは停止となる。認知症まではいかないが、認知機能検査の結果が悪くなっている場合には、臨時の高齢者講習(2時間)を受講しなくてはいけない。
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<運転免許取り消し停止10倍増/高齢者事故データ> 2017年2月20日 日刊スポーツ
高齢ドライバーによる死亡事故が後を絶たない。3月には75歳以上の運転者が免許を更新する際の認知症対策を強めた改正道交法が施行される。
<高齢者事故関連データ>
▼2016年に全国で起きた交通事故の死者数は前年より213人少ない3904人。1949年以来67年ぶりの3000人台。うち65歳以上の高齢者の死者数は2138人。全体に占める割合は54・8%で、統計を始めた67年以降で過去最高に(警察庁調べ)。
▼15年に運転免許を更新した75歳以上の高齢ドライバーは約163万人。更新時に義務付けられている認知機能検査では、加齢に伴った認知症や認知機能低下の判定は、84歳を境に半数を超えた(警察庁調べ)。
▼15年に認知機能検査の結果などに基づいて医師の診察を受けた高齢ドライバーは4027人。3月12日の改正道路交通法の施行後は、年間で約5万人に増えると予想。うち免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)。
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👀 2017年3月から道交法が改正され、従前より免許更新時の高齢者認知機能チェックが厳しくなります。
いままでより対策が厳しくなることは、基本的に良いニュースです。
私も自分の親の高齢運転問題に直面する前であれば、このようなニュースを聞いたら〜
「お上もいろいろ考えて手を打っているいるね・・・」
「これで親が高齢になっても運転免許に関しては、問題ないね・・・」
〜などと、気楽に考えていたことでしょう。
しかしながら、実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、この道交法改正も良い対策ではありますが、まだまだ対象となる高齢者は少ないことは十分留意しておくことが肝要です。
もう少し具体的に、分かり易く言うと〜
「ウチの親も認知症という診断も出たし、次の免許更新時の高齢者認知機能チェックではキット免許取消になるわね・・・」
〜と思い込まないことです。
期待通りになるかもしれませんが、ならない可能性も高いですから!
上記の記事にもあるように〜
「15年に認知機能検査の結果などに基づいて医師の診察を受けた高齢ドライバーは4027人。3月12日の改正道路交通法の施行後は、年間で約5万人に増えると予想。うち免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)。」
〜法改正前に比べれば「免許取り消しや停止は1472人から約1万5000人と、10倍に増える見込み(警察庁試算)」ということですから、だいぶ対象者は増加することになりそうです。
しかしながら、よくよく考えてみると・・・
警察庁の試算どおり「免許取り消しや停止」が約1万5000人になったとしても、1万5000人に過ぎません。
👀 75歳以上の免許所有者が約478万人いますので、免許更新が3年に一度なので、1年あたりの75歳以上の免許更新対象者は3分の1位でしょうから、ざっと約159万人だ仮定しましょう。
75歳以上の免許更新者が約159万人に対して、今回の法改正によって「免許取り消しや停止」が約1万5000人となっても、1%にも満たないことになります。
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👀 国立国会図書館「認知症対策の現状と課題」より・・・の認知症の有病率は「65歳以上」でも「15%」を超えています。 ここからも免許更新時の対象となる者が如何に少ないか分かります。
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👀 実際に高齢の親の運転(免許)のことで現実的な不安を抱えているご家族は、今回の道交法改正で10倍程度増える予定とはいえ・・・
その対象となるのは、かなり限られた層であることは認識しておきましょう!
運転免許の更新を機に確実な対処をしたい場合、事前に警察と綿密な相談をされることをお勧めします。
「認知症だから免許更新はされないわ・・・」などと希望的な観測だけで何の対処もしないでいると、更新できてしまった場合、高齢者本人にとっては、逆に「運転すること」に対する「お上のお赦し」「免罪符」となってしまいます。
そして、その後の対応に苦慮することになりかねません!
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