2016年01月21日

<高齢者預託の2・7億円、公益財団法人が流用>

<高齢者預託の2・7億円、公益財団法人が流用>   2016年01月19日 読売新聞
 身寄りのない高齢者らの身元保証や生活支援を行う公益財団法人「日本ライフ協会」(本部・東京都港区)が、葬儀代などのために高齢者から集めていた預託金約2億7400万円を職員の賞与などに流用していたことがわかった。
 19日に同協会の評議員会が開かれ、理事8人全員の引責辞任が了承された。
 同協会によると、2013〜15年、会員約1600人の預託金約8億8000万円のうち、約2億7400万円を公益認定法の定める手続きを経ず、人件費や事務所開設費、広告費などに充てたという。公益法人の資格を審査する内閣府公益認定等委員会は今月15日、責任の所在を明らかにし、適切な措置を講じるよう勧告を出していた。
 同協会は02年に設立され、NPO法人や一般財団法人を経て、10年7月に公益財団法人になった。当初は公益性を担保するため、弁護士らの第三者が預託金を管理する契約方法で認定を受けていたが、同委員会に届け出をせずに、協会が直接、預託金を管理する契約に替え、流用が行われていた。
************************************************************
👀 つくづく酷い時代になったと思わされる話題です。
オレオレ詐欺集団やハゲタカのように営利を求める金融機関が高齢者をダマすのには、もはや慣れっこになってしまいましたが、身寄りのない高齢者らの身元保証や生活支援を行うことが目的の公益団体まで高齢者をダマすのですから・・・

 老親が何とか自立している内は、皆様ほとんど気にしていませんが・・・
いざ認知症などで自立が難しくなり始めると、そのような老人をトータル的にサポートしてくれる仕組みがまったく無いことに、家族は唖然とします。
 理解力や判断力が衰えた老人に必要な措置・手続きごとに〜
・ケアマネージャーは介護保険・福祉領域
・医師・看護師は当然医療分野
・金銭管理・契約関係は各金融機関などと折衝しつつどうしようもないとなると後見人制度・・・
〜等々とそれぞれ各分野毎に分立しており、介護に専任できるような家族がいない場合、限られた時間や制約の中で担当せざるを得えない家族が右往左往しながら起こる問題をこなしていかなければなりません。
高齢化社会と言われて久しいものの、いまだに、この分野の利便性は進んでいないことに気付かされます。
ですから記事にあるような「老後支援団体」が必要とされることは、本当に理解できます。

 しかし一方では、そもそもこのような団体のお世話にならざるを得ないという事は、その利用者(老人)は理解力や判断力が相応に落ちているわけですから、このような団体自身が悪意をもって運営された場合、とんでもない被害に遭うことは否めません。
 それでは、一概にこのような団体の行う業務を法でがんじがらめに規制すれば何とかなるかというと、そうは問屋が卸しません。
「後見人制度」が良い例で、法定され裁判所も関与しているので、一見不正など起こらないように思えますが・・・
実際は家族後見人はもとより、「弁護士・司法書士」等の職業後見人による不正も後を絶たたないため・・・
本来後見人を管理監督するべき裁判所は、その職責を投げ出し、「日常の生計に必要と思われる金銭以外は信託させてしまい、それ以外にはお金を使いにくくさせてしまおう!」という運用になってしまいました。
これでは本末転倒の性悪説で、不正は起きにくくなるかもしれませんが、本来後見人に求められる役割がどんどん果たせなくなってしまいました。
もともと「後見人制度」は手間や費用がかかる割には使えない制度では有りましたが近年「後見支援信託」や「後見監督人を付けられてしまう措置」によって単に被後見人の資産を減らさなければよしとするだけに専念する制度と化し、いよいよその有用性が損なわれてしまいました。

 「老後支援団体」に関しては「後見制度」の轍を踏まず有用性は保ちつつ不正が起こりにくいような方策を考えてもらいたいものです。
「老後支援団体」には、「外部の第三者機関が監査を行う」「利用者の金銭や契約関係を親族(子)に開示する(レポートする)」といったことを義務付けていくといった方法が良いのではないかと思います。
「後見人」に不正が多いのも結局「後見人」以外の第三者(親族など)にその行為を開示する義務が無いためでしょう。(裁判所がチェック・監督することになっていますが事実上ほとんど機能していません。)
理解力や判断力が落ちてきた老人を取り巻く実際の状況を知る身としては、決して机上の空論によって「老後支援団体」の翼をもいでしまうような不正対策にはならないように望みたい所です。



blogramのブログランキング

クリックお願いいたします。m(_ _)m

posted by 隊長 at 16:54| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: