2024年10月30日

不動産業者にダマされないために賃貸経営の実態を知っておきましょう・・・<相続税対策に建設相次ぐアパート 思わぬ落とし穴が待っていた!> 

<シェアハウスで8600万円を借りた……アパートローンに群れた地銀 >     2018年05月22日 産経新聞
 「お金はちゃんと返してもらわないと。自己破産はしないでくださいね」
 スルガ銀行の東京都内の支店。同行から借りた「アパートローン」といわれる賃貸住宅の購入資金の返済が行き詰まり、今年1月に金利の引き下げを求めにいった大阪市の男性会社員(32)に対して、行員はこう言い放った。
 男性は平成27年12月、東京都足立区の貸家物件を年収の10倍近い8600万円で購入した。貸家はシェアハウスで、共同のキッチンなどを設けることで間取りを節約し、小さな敷地でも、多くの居住者を住まわせられ、投資物件として注目を集めていた。
 足立区の物件を販売・管理したのは破綻したスマートデイズとは異なるシェアハウスを専門的に行う都内の不動産業者だったが、融資を扱っていたのはスルガ銀だった。
物件を一括借り上げしてもらい、入居者がいなくても、家賃収入を保証する「サブリース」契約をこの業者と結んだ。得られる家賃収入は月56万円。年約8%の高利回りが購入の決め手だった。
 ところが、賃料の支払いが昨年12月に突然、停止した。不動産業者の資金繰りの悪化が原因。物件購入を後押ししていたスルガ銀が融資に慎重になり、新規物件の販売がふるわず、既存物件の運営でも賃料を賄えなくなった。スマートデイズの「かぼちゃの馬車」と同じような構図だった。
 「そもそも銀行が物件の収益性を見抜いて融資を見送っていれば、こんな事態は起きていないのではないか」
 男性会社員は、今後、29年続く月39万円の返済に途方に暮れる。スルガ銀には貸し手としての責任を問う声が上がっている。
・貸し出し、大手より多く
 ただアパートローンに目を付けたのはスルガ銀だけではない。日銀の黒田東彦総裁が打ち出した異次元の金融緩和に伴う超低金利政策により、一般の住宅ローンや企業向け融資の利幅は縮小。新たな収益源として、多くの地銀が群がった。
全国地方銀行協会に加盟する地方銀行と第二地方銀行協会に加盟する第二地銀は現在、あわせて104行。アパートローン残高は14兆6675億円(3月末時点、当時は105行)と全体の6割を占め、大手行より多い。
 メガバンクが地方店舗の統廃合を進め、グローバル企業への融資など国際業務に傾斜する一方、金融庁は地銀を中小企業への支援などを通じて地方経済の活性化を促す担い手として期待を寄せる。しかし、理想と現実には溝がある。
 金融庁の調査によると、地域銀行(地銀、第二地銀、埼玉りそな銀)の平成29年3月期の不動産、貸家業への貸出額は前期より約3兆円増えた一方で、製造業向けは数千億円規模で減少。「アパートローンを含む不動産融資、高リスクの有価証券運用の拡大などで足元の利益を確保する動きが広がっている」と分析する。派手な宣伝を展開していた銀行カードローン融資の貸出残高も地域銀行が44.8%を占め、2兆円近くある。
 「中小企業の支援の費用を賄うためには結局、どこかで稼がなくてはならない。きれいごとでは済まされない」。ある金融機関のOBはこう語る。
 不適切な融資が発覚したスルガ銀。不祥事は同行だけの問題だが、超低金利時代の苦境の中で、異変が起きる地銀の姿をあぶり出している。

高い収益力で評価を得ていた地方銀行のスルガ銀(静岡県沼津市)が金融庁の検査を受け、シェアハウスをめぐる融資姿勢を問われる事態になっている。また日銀の黒田東彦総裁も再任され、超低金利の局面は長期化。人口減少とともに収益環境が悪化する中、地銀が直面する問題を探る−。
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👀 金融機関同様、高齢者をターゲットにしてくる業種の代表格は「不動産業」です。
高齢者の「資産運用」「相続対策」・・・と謳って、賃貸住宅の建設などを勧誘してくることが多いものです。
最近では、相続税の基礎控除の改正があったことも、不動産業者が高齢者を積極的に勧誘する一因となっています。
確かに相続対策には、賃貸経営などを上手に利用することで相当な効果が上げられるケースがあることは言うまでもありません。

<勧誘時には、リスクは隠して、良いことしか言いません!>
 一方「不景気の長期化」・「高齢化」などの影響から、上記の記事のように、近年不動産賃貸業のリスクは、かつてなく高くなってきているというようなことは、不動産業者は勧誘時には殆ど語りません。
高まる「賃料踏み倒しリスク」は全く度外視した収支予想に基づき資金計画を立てた賃貸経営は、短期的にはうまく行く様に思えても、いずれ破綻してしまう結果に至ります。

不動産業は、金融機関以上にコンプライアンスに欠け、荒っぽい業界であることは周知の事実です!
少し前までは「千三つ屋」と呼ばれる業界であったことは覚えておいた方が良いでしょう。(・・・千のうち三つしか本当のことを言わないという意味)
少し理解力・判断力が衰えてきた高齢者など、赤子の腕をひねる様にダマされてしまいます。
不動産の場合、金融商品以上にそのもたらす結果は、取り返しがつかず深刻な事態に至ることが少なくありませんので、高齢者本人はモチロン・・・ご家族も十分に気を付け、高齢者の不動産取引には必要な関与を怠らないようにしましょう。



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2024年10月22日

<認知症患者の預金、代理権のない親族の出金可能に 全銀協> → 運用変更で、認知症の親を持つ家族を多少でも苦悩から救い出してほしいものです。

<認知症患者の預金、代理権のない親族の出金可能に 全銀協>  2021/2/18 産経新聞
 全国銀行協会(全銀協)は18日、認知機能が低下した顧客の預金を引き出す際、法的な代理権がない親族らの引き出しも認める「考え方」をまとめた。顧客の財産保護の観点から、認知症などによって判断能力が十分ではない人を保護するための成年後見制度の利用を促すのが基本とした一方で、制度を利用できないなどの場合には「極めて限定的な対応」として認めるとした。これまでは親族といえども本人の意思確認が必要だった預金の引き出しに関する慣例を見直す。
 預金の引き出しは本人の意思確認が必要で、親族であっても、引き出しを認めていなかった。認知判断能力が低下した顧客との取引は、成年後見人など法的な代理権を持つ人との取引を基本としてきた。
 ただ、第三者に家族の資産を預ける抵抗感や費用の問題などから、全銀協によれば、成年後見制度の利用者数は2018年12月末で約22万人にとどまる。このため、本人の医療費や施設入居費、生活費などの支払いなどで預金の引き出しが必要でも、親族が引き出せないなどの問題があった。
 今回の考え方では、「医療費の支払い手続きを親族などが代わりにする行為など、本人の利益に適合することが明らかな場合に限り、預金引き出しの依頼に応じることが考えられる」とした。本人が認知判断能力を喪失してることは、本人との面談や診断書の提出などで確認するとした。
 全銀協の三毛兼承会長(三菱UFJ銀行頭取)は18日開いたオンライン会見で「認知症という社会課題に対する対応を示すことができた」と述べた。
 金融庁は昨年、認知機能が低下した顧客が銀行窓口での預金引き出しで困らないよう、一定のルールを設けた上で親族らによる代理を認めるといった柔軟な対応を求めていた。
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👀 日本が高齢化社会になり、随分日時が経ちました。
当然、認知症を患う人も増え、理解力・判断力が衰えて、自分で銀行取引を行うことが、ままならない高齢者が増えていきました。
当初は、ケースバイケースで対応してくれていた銀行も、融通を利かせて対応した結果、相続時などで銀行がトラブルに巻き込まれることも発生し始めました。
その後、高齢者が認知症であることが判明すると、家族による銀行は取引を認めなくなり、“法定後見人”を立てることを推奨するようになりました。
 しかしながら、この“法定後見人”自体も似たように、当初は家族を法定後見人にとして選任してくれていたのですが・・・
家族後見人の使い込みといった問題が散見されるようになると、家族以外の弁護士などの専門職後見人しか認めなくななってしまいました。
頑張って家族を後見人に立てても、結局専門職を後見監督人として付けられてしまい事実上は同じことになってしまいます。
それでも、専門職後見人が被後見人の為に積極的に働いてくれればよいのですが・・・
実際は、認知症高齢者の資産は殆ど動かせず、後見人の高い報酬を払うだけになります・・・
上記の記事にあるように「〜成年後見制度の利用者数は2018年12月末で約22万人にとどまる。〜」という圧倒的な利用の少なさ(認知症患者≒600万人ともいわれ、その利用率は数%に過ぎません)が、“法定後見人”制度が事実上機能していないことの証左です。

 このような現状で、認知症高齢者の銀行取引に悩み、にっちもさっちも行かなかった家族にとって、今回の銀行の運用の改善は、多少なりとも認知症高齢者の銀行取引を円滑にしうる可能性があり、とても良い傾向だと思います。


👀 2019年に最高裁が専門職による(使えない)法定後見人オンリーの運用を見直す提言があったことも、深刻な認知症高齢者の銀行取引の機能不全状態を多少なりとも解消していこうとする意識の表れでしょうね。
現状では、高齢の親が認知症となり、理解力・判断力が衰えると、家族は銀行取引が行えないという苦悩の沼でもがくことになりますから・・・早く多少でも改善してもらいたいものです。
   ↓
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<成年後見人には「親族が望ましい」 最高裁、考え方示す>      2019/3/18 朝日新聞デジタル
 認知症などで判断能力が十分ではない人の生活を支える成年後見制度をめぐり、最高裁判所は18日、後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示した。後見人になった家族の不正などを背景に弁護士ら専門職の選任が増えていたが、この傾向が大きく変わる可能性がある。
 同日開かれた制度の利用促進をはかる国の専門家会議で、最高裁が明らかにした。これまでは各家庭裁判所が親族らの不正を防ぐ観点から専門職の選任を増やしてきた。だが、制度の利用は低迷。こうした中で、国は2017年に利用促進の計画を策定し、見直しに着手した。利用者がメリットを実感できる仕組みに変える一環として、最高裁は今回初めて選任に関して具体的な考えを表明した。今年1月に各地の家庭裁判所に通知したという。
 最高裁は基本的な考え方として、後見人にふさわしい親族など身近な支援者がいる場合は、本人の利益保護の観点から親族らを後見人に選任することが望ましいと提示。また、後見人の交代も、不祥事など極めて限定的な現状を改め、状況の変化に応じて柔軟に交代・追加選任を行うとする。昨年6月〜今年1月、日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会など専門職団体と議論を重ね、考えを共有したという。
※親族後見人の割合は年々減少
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2024年10月04日

こうして信託銀行に籠絡される(父のケースC):まとめ編

👀 N証券M支店にダマされ多額の投信・ファンドラップに投資させられた父ですが、同じ頃、M信託銀行にも籠絡されておりました。
金融機関にダマされない為の実例として、皆様の何かの参考になるかもしれませんので、そのエピソードについて取り上げたいと思います。

高齢の親御さんを持つ皆様がダマされない為に:今回の反省点@「認知症の理解及び想定不足」
 そもそも80歳近い親が金融機関と取引を続けているというリスキーな状態であるにも拘らず・・・
何の根拠もなく「認知症では?」という想定や検証を、全くしていませんでした。
どうしても自分の親については〜
「年を取ればこんなもの・・・、年相応・・・」
「自分の親が痴呆とは思いたくない」
「まだ認知症ではないだろう・・・」
「“子”の欲目」
〜などという都合の良いバイアスが掛かってしまい、重要なサインを見落としてしまうように思います。
 皆様は、問題が起きて初めて気付くようなことにならないように、自分の親だからこそ「認知症では?」という目線で注意深く観察し、出来るだけ早期にその発見が出来ることをお祈りします。

 今回の経験を通じて、まず反省すべき点は〜
・「認知症」の認識を誤っていたこと
→ 分かっているつもりでも、やはり「認知症」は緩やかに着実に進行し気付かない間に深刻な理解力・判断力の低下を招くことを現実味を持って認識していなかったこと。
〜と言えるでしょう。
お医者さんの話では、「アルツハイマー型認知症」の場合「問題が生じたり」「明らかにオカシイ」と気付くような状態になる「5年〜10年前には発病して、脳細胞が減り始めている」とのこと。
私は父の認知症を早期に発見したつもりでいましたが・・・実際は問題が起こって気付くようでは「遅い」のです。
現在の認知症薬は、せいぜい進行を遅らせる程度の効果ですので、この段階では、もう脳細胞もだいぶ減ってしまっているので、もっと早期の段階から薬を飲み始めた方が当然進行も遅らせられますし、問題の発生も送られることが出来るのです。

確かに言われてみれば、N証券やM信託に籠絡される何年も前から〜
・オレオレ詐欺にダマされる寸前までいった。
・リフォーム屋のようなモノにダマされそうになる。
・良く分からない健康食品を購入した。
・同居の家族と過去にはなかったような諍い
〜といったことは起こっていました。
そのようなことが起こった当時、私は「年だからそんなことも有るか・・・」などと考え、単発の事象としか捉えていませんでした。
しかし、今になって考えれば、これらの事象を有機的に連係して捉えることが出来ていれば、単なる老化の延長線上にないことに気付けたと思います。
悲しいことですが、高齢の親に、今までの延長線上では考えられないような事象(何かにダマされかける・感情の高ぶり…etc)が生じた場合、「認知症」を視野に入れ早期の診断・発見に繋げることが、その後ダマされて大きな被害を受けない為には非常に重要です。

高齢の親御さんを持つ皆様がダマされない為に:今回の反省点A「金融機関はダマすものという性悪説が身についていなかった。」・・・金融機関は、家族がうるさく言わない限り、老人の理解力・判断力の低下を見逃さず都合よく利用する(ダマす)ことを知っておきましょう!」
 第二の反省点も第一の反省点とリンクするのですが、父のケースでも明らかなように、それまでは何とか大きくダマされることなく済んでいた老人でも・・・
認知症を発症し進行に伴い、理解力や判断力が低下し、いずれマトモな判断が出来ない時点がやってきます。
しかしながら、認知症は緩やかに進行していますので「認知症」を視野に入れて観察していないと、家族でも見逃してしまいます。
その老人が金融機関と取引をしている場合・・・金融機関の担当者も「理解力」や「判断力」が低下してきていることに当然気が付きます。
しかし、担当営業は家族に「今までよりだいぶ理解力が落ちましたね。」と教えてくれることは有りません。
逆に、「まだまだシッカリされていますね!」などと心にも無い事を言いながら、ボケ始めた御しやすい老人を手玉に取り金融取引を加速するのが定石です。
頻繁に金融取引している高齢者のご家族は、何か予兆らしきものに気付いた場合「認知症」を視野に、必ず金融機関の取引も含め、有機的に連係させて確認するようにしましょう。

〜つづく〜

👀(参考)何か予兆らしきものに気付いた場合、「普通の老化の延長なのか?」「認知症によるものなのか?」初期に気付けるかどうかが肝心です。
   ↓
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<認知症の初期症状【軽度】>  〜認知症.net HP〜
認知症の中でも、その大半を占めるアルツハイマー型認知症の症状についてご説明します。
アルツハイマー型認知症は、ほかの種類よりも比較的ゆるやかに進行します。しかし症状としては、ゆるやかに見える場合でも、時間とともに確実に進行することが特徴です。
もの忘れから始まり、新しく記憶することができなくなり、そして過去のことも忘れていきます。そして自分自身の意思を伝えることが少しずつできなくなっていきます。ただしストレス状況や環境によっては、一気に症状が進行する場合もあります。アルツハイマー型認知症は、症状の進行にともない、軽度、中度、重度と経過します。
では、初期のアルツハイマー型認知症の症状はどのようなことが起きるのでしょうか。
まずは、物の置き忘れやしまい忘れなど、加齢による物忘れがやや亢進したような記憶障害から始まります。これらと同時に感情、意欲、性格といった精神面にも何らかの変化がみられるようになります。しかし、日常生活を送る上で、それほど支障が出ることもなく、会話をしていても普通な場合が多いです。だからこそ、なかなか気付けないことも多いです。

初期症状【軽度】の特長
■記憶
最近の出来事を忘れてしまう一方で、昔の記憶は、ほとんど忘れません。
■時間、場所、人物の認識
日付けや年度が不確かになりますが、場所はだいたい分かります。
■会話
日常会話は支障なくこなせますが、記憶を必要とする会話は難しくなります。
■日常生活
趣味や興味があったことに対して関心がなくなっていきます。そして料理などの複雑な作業がきちんとできません。
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