・42社の契約を照会できる
約1336万円−これは90歳以上の世帯主が加入している死亡保険の平均額だ(生命保険文化センター調べ)。長年にわたり保険料を払い続け、連れ合いや子どものために残したおカネである。
しかし残酷にも、老親が入っている保険を子どもが見つけられず、保険金が宙に浮くケースも珍しくない。
「お客様番号が分からない……。そうしますと、死亡診断書と戸籍謄本、免許証などの本人確認書類を持参していただく必要がありますね」
都内にある大手保険会社の窓口でマニュアル通りの返答を聞きながら、押見寛人さん(69歳・仮名)は途方に暮れていた。父親を亡くしたのはおよそ1年前のこと。葬儀や相続手続きに追われていたが、ずっと頭の奥に引っかかっていたのが父親の生命保険のことだった。
「『俺が亡くなったら保険金が出るから』と聞かされていましたが、保険証券が見当たらない。そこで思いつく限り大手保険会社の窓口を回ったのですが、結局分からずじまいでした」(押見さん)
国内にある生命保険会社は42社あり、一社ごとに連絡をとって書類を揃えるのは膨大な手間になる。そしてめぼしい成果も得られないまま、保険金請求の時効である3年を迎え、これまでに支払った保険料は水泡に帰す。
だが、7月1日からは保険の常識が激変する。生命保険契約照会制度が始まるのだ。
「生命保険協会に申し込めば、亡くなった人がどんな保険に入っていたか、全会社を一括して調べることができるのです。利用料は3000円で、照会対象者の法定相続人であれば利用可能です」(ファイナンシャルプランナーの横川由理氏)
具体的にどう利用するのか。まず、生命保険協会のホームページにアクセスし、必要書類を請求する必要がある。パソコンが不得手な人は、子どもなどの助けを借りよう。
次に必要書類を揃える。(1)自分の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)(2)亡くなった人と自分の関係を示す戸籍謄本(3)死亡診断書をコピーして提出する。利用料はクレジットカードか、コンビニで支払う。
照会結果が送られてくるまでは「2週間程度かかる」(生命保険協会広報担当者)という。故人が入っていた医療保険についても、この制度で調べることができる。
あとは送られてきた通知を元に、各保険会社に保険金を請求するだけ。保険金請求の時効は原則3年だが「保険に加入していたのを知らなかった」などと理由を説明すれば、それを過ぎても受け取れることが多い。すでに亡くなっている老親の保険も、この制度で調べてみる価値はある。
ちなみにこの制度は、保険の加入者が死亡していなくても、認知症になっていれば利用できる。その場合、本人確認書類に加え、生命保険協会の所定の診断書を取り寄せる必要がある。認知症の状態等を主治医に書き込んでもらい、申し込みをすればいい。
ただし残念ながら、元気なうちは、生命保険契約照会制度は使えない。あなた自身が加入したはずなのに忘れてしまった保険を探すには、(1)保険証券、(2)ご契約内容のお知らせ、(3)生命保険料控除証明書といった書類を探そう。
とはいえ保険料の払い込みがすでに終わっており、保険会社に住所変更の連絡をせずに引っ越した場合は、こうした重要書類を紛失しているケースもざらにある。
「古い通帳を引っ張りだして、保険料の引き落とし履歴をチェックするのも有効です。さらにメモ帳やボールペンなど、家にある保険会社のロゴが入ったグッズもヒントになります」(前出・横川氏)
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👀 上記の記事の「生命保険契約照会制度」これは親御さんが「認知症」若しくはそこまでではなくても「理解力」・「判断力」が低下してしまったご家族にとって、大変ありがたい制度ですね。
まだ頭がしっかりしている親御さんのご家族もこのような制度があることは、頭のスミに入れておくと良いですね。
せっかく親御さんが家族の為に保険料を支払い続けた保険が、無為に終わってしまうのは悲しいですから・・・
当方もいずれ利用してみたいと思います。
当方もやはり父が認知症となり、いくつか保険の存在は分かっていますが、それで全部なのか?まだ他の保険会社に契約が有るのか?分かりかねていますから・・・
これだけ高齢化が進み、認知症に罹患する人も増加している時代ですから、「生命保険」だけでなく「損害保険」「銀行」「証券」といった分野でも、このような照会制度を整備してもらいたいものですね。
金融業界は、高齢化社会の中で、このような顧客に役に立つ取り組みをしっかり行っていって欲しいものです。
ともすると、やらなくてよいような高齢者を騙すような手法や取り組みを行いがちですから・・・
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