2023年03月30日

老人を狙う来訪者達!(その2)

👀 (その1)に続き、親と同居ではなかったため、あまり知る機会もなかった「高齢者が来訪者達にダマされている」という実態についてのお話。
自分の身内が騙されみて、あらためて思い知らされたことは、現在、高齢者の家には想像以上にいろいろな来訪者や勧誘電話がやってきているということです。
昨今は、子育て世代の家庭は、核家族で共働きが多いので、家庭に来訪しての営業活動は、効率が悪い為、比較的若い住民が多い地域には、この手の来訪者はあまり現れません。
その為、若い世代は、自分たちの家にはあまり訪問型の営業が来ないこともあり、高齢な親のところもそんなものだろうと思いがちです。
わたしも親がダマされるまでは、そんな認識でした。
しかし、高齢者がダマされる実態は、そんな甘いものではありませんでした。

<真っ当な企業や金融機関もこぞって高齢者を狙う!>
 「高齢者をダマす・・・」というと、前回お話したような、宗教がらみやそもそも詐欺同然の業者(リフォーム、廃品回収など)といった連中を思い浮かべる方が多いものです。
確かに、そのような業者が数多く高齢者を狙っているので、警戒をしないといけません。
しかし、それとは別に、世間的に名のある〜
「銀行・証券・保険といった金融機関」
「郵貯」
「信託」
「住宅メーカー」
「集合住宅建設」
「自動車販売」
〜といった業種の大企業も「高齢者」をターゲットに、しつこく営業を仕掛けてきます。
まだまだ、このような世間的に通りの良い企業の場合は、高齢者自身もご家族も「いくらなんでも、こんな立派な企業が、高齢者を食い物にするようなアコギな商売はしないだろう・・・」などと思ってしまいがちです。
 しかし、実際には、世間的に名のある大企業も理解力や判断力に問題ある高齢者にドンドン商品を勧誘し、売り付けているのが現在の日本の現状なのです。

 大企業では、トップやコンプライアンス担当などは〜
「地域への貢献が・・・」
「地域との共生が・・・」
「法令順守・・・」
〜といった立派な方針を掲げます。
しかし、実際の営業現場では、景気も悪く、ノルマに追われるため・・・
お金を持っている上に、理解力や判断力が衰えてダマしやすい「高齢者」は、格好の営業対象となっています。

<大企業に高齢者がダマされる実際の例>
 実際に私の親の場合も、営業マンが少し話せば、その理解力や判断力がずいぶん落ちていることは分かるような状態であるのに・・・
「N証券」は、平気で投信・ファンドを売り付けました。
N自動車の販売会社は、まだ3年・17000kmしか乗っていない親の車を、新車に買い替えさせてしまいました。
親は認知症であり、車を傷つけることも多くなっているような状況でしたので、主治医やケアマネージャーとも相談し、車の運転を止めさせる方向で考えているところだったのに・・・
「傷が有るので直すより、いっそ新車にする方が安いですよ・・・」などというウソを言われて、その気にさせられてしまいました。
 このように、少し話せば理解力や判断力に問題あることがわかる認知症の老人にすら、世間的に名のある企業でも、ドンドン売り付けてしまいます。
「高齢者だから、家族の確認を取ろう!」なんて発想は、営業マンには一切ありません。
とにかく「売り付ければ良いや」ということしか考えていません。
こんな高齢者をダマすような商売していると、その高齢者の家族は、「N証券」「N自動車」のやり口に、反感を覚えることになりますから、長い目で見れば企業の損失だと思いますがねえ・・・

<結論:「大企業だから高齢者をダマすことは無い!」なんてことはありません!>
 詐欺や詐欺まがいのチンピラ業者は、高齢者をダマしますので、モチロン要注意!
しかし、世間に通りの良い大企業だからと安心してはいけません。
一見「大企業は、そんなことはしないのでは?」と思ってしまいがちですが・・・
そのような企業がでも、高齢な親と何かしら取引進める様子が見えたら、家族はシッカリ確認しましょう!


👀 残念ながら、このような営業が繰り広げられているのが、日本の現状です。
   ↓
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<80代母に「不利な共済を勧誘」、JAに不信感 契約時に認知症の兆候も> 熊本日日新聞| 2022年5月17日
JAから送られてきた資料を示しつつ、亡くなった母親が入っていた建物共済について説明する男性(写真の一部を加工しています)
 福岡市の男性会社員(54)が「SNSこちら編集局」(S編)に「亡くなった母が80歳を超えて、20年満期の不利なJA共済(火災保険)に、必要のないかけ替えをさせられていた。不当な商品勧誘が行われたのではないか」との投稿を寄せた。男性によると、母親には契約時に認知症の兆候もあったといい、JAへの不信感を募らせている。
 男性の母親は2016年に父親が亡くなって以降、熊本県天草市内で1人暮らし。父親の死後、認知症のような言動が目立ちはじめ、何度か地元の交番に安否確認もお願いした。21年7月、82歳で亡くなった。
 男性が持参した資料によると、母親は亡くなる1年前の20年7月に、火災や自然災害に備えるJAの建物更生共済に加入。父親の存命時から12年間入っていた前の建物更生共済(30年満期)の積立金を新しい契約に充当する、「転換」という手法で契約していた。
 転換後も保障は同じ3500万円。これまで積み立てた分を掛け金に充てるため、掛け金は年約26万6千円が約19万9千円に減ったように見えた。しかし、満期時にもらえる金額は350万円から120万円に大きくダウン。掛け金の44%が満期金として戻ってくる以前の契約に比べ、30%しか戻ってこない形で、満期金がもらえる時期も2年先延ばしになった。
 掛け金の安い掛け捨てタイプの火災共済もある中、契約には入金が滞った際にJAが母親に掛け金を貸し付けたことになる条項もあった。男性は「満期金の受け取り時に母は100歳超。母が不利になる内容を理解した上で契約したとは思えない」と訴える。
 一方、契約したJA本渡五和(天草市)は男性に「母親の側から望んだ転換で、担当者が『息子さんに相談しては』と勧めたが連絡されなかった」と答えたという。熊日の取材に同JAは「個別の契約については答えられない」と前置きし、「一般的に70歳以上の高齢者の契約は、マニュアルに基づき複数回の説明をするなど適切に行っていた」と回答した。
 金融庁によると、金融商品販売法(現・金融サービス提供法)は、保険や共済を含む金融商品の販売業者が、販売時に顧客の知識や経験、財産状況や商品の購入目的に照らして適切な説明を行うよう定めている。
 JA共済連(東京)によると、JA共済も21年4月にマニュアルを改定。70歳以上の高齢者と1年超の契約を結ぶ際、親族の同席が難しい場合は親族に電話して契約内容の確認を求める項目を追加した。
 男性の母親の契約もあと9カ月遅ければ、追加項目に従って男性への確認の電話が必要だった。男性は先月、母親から引き継いだ共済契約を解約した。
 国民生活センター(本部・相模原市)の集計では、21年度に全国の消費生活センターに寄せられた保険や共済の契約に関する相談は1万369件。うち4割の4085件が70歳以上の契約だった。(太路秀紀)
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<みずほ証券に賠償命令 東京地裁、認知症女性に金融商品 >   日本経済新聞 2016/6/17
 認知症の女性(85)が複雑な金融商品を購入させられたとして、みずほ証券などに約4300万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(青木晋裁判長)は17日、不適切な勧誘だったことを認め、みずほ証券に約3千万円の賠償を命じた。
 判決は「女性が購入した金融商品はリスクが大きく仕組みが難解であり、相当程度の投資判断の能力が要求されるものだった」と指摘。女性が認知症の診断を受けており、投資の経験が浅いことなどから「不適切な勧誘で、違法な取引にあたる」と判断した。
 みずほ証券側は、販売当時は女性が認知症との認識はなく、「商品を理解する能力があり、担当者は基本的な仕組みやリスクを説明していた」と主張していた。
 判決によると、女性は2008年、みずほ証券の担当者の勧誘で、金融派生商品を組み合わせた「仕組み債」を計約7100万円購入。リーマン・ショックによって約4千万円の損害が生じた。
 女性は、みずほ証券の担当者を紹介したみずほ銀行にも賠償を求めたが、判決は「銀行が勧誘したとは認められない」として請求を退けた。
 みずほ証券は「主張が認められず残念。今後の対応については判決を詳細に検討したうえで決定する」とコメントした。
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posted by 隊長 at 16:21| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月23日

老人を狙う来訪者達!(その1)・・・せめて実態は知っておきましょう。

👀  親と同居していない場合、あまり知る機会もない「高齢者がダマされている」という現実。
そして、自分の身内が騙されみて、あらためて思い知らされたことは、現在、高齢者の家には想像以上にいろいろな来訪者や勧誘電話がやってきているということです。
昨今は、子育て世代の家庭は、核家族で共働きが多いので、家庭に来訪しての営業活動は、効率が悪い為、比較的若い住民が多い地域には、この手の来訪者はあまり現れません。
その為、若い世代は、自分たちの家に、あまり訪問型の営業が来ないこともあり、高齢な親のところも「そんなものだろう」と思いがちです。
わたしも親がダマされるまでは、そんな認識でした。
しかし、親がダマされて改めて知る「高齢者がダマされる実態」(高齢者への訪問・電話攻撃)は、そんな甘いものではありませんでした。

<高齢化した街には、高齢者をダマすために「来訪者」が跋扈する!>
 現在高齢である親世代は、親たちが子育て世代であった頃に分譲された地域に住んでいるケースが多いものです。
高齢者をダマそうとする訪問販売業者はそのような高齢者の比率の高い街に、こぞってやってきます。
高齢者は、比較的「在宅がち」である上に「お金」もそれなりに持っています。
そして、高齢になり理解力や判断力が落ちていますので、若い世代より、はるかにダマしやすいですから・・・
どうせ訪問販売をするなら、そのようなカモがいる所に行かないワケがないのです。
高齢者のご家族の皆さん、もし同居されていないようであれば・・・
一度高齢な親の家に「どの程度来訪者や勧誘電話が来ているか?」調べてみた方が良いでしょう。
親御さんが住んでいるのが、高齢化率の高い住宅地域である場合「こんなに来ているのか・・・」と驚かれることと思います。
 
<どんな連中が高齢者をダマしに来るのか?>
 オレオレ詐欺くらいは、皆様ご存知と思いますが、それ以外にも〜
・廃品回収系 
 「無料!」と言って近寄り、頼むと結局は、高い料金を支払わされる
 「不用品回収!」と言いながら、目的は貴金属にあり、不当に宝飾品を安く買い取る。
・害虫系
 「シロアリ検査します」などと言って最終的に高額な代金を請求。
・リフォーム系
 「素人では見れない屋根の診断を・・・」
 「水道、下水の漏水を検査・・・ 」
 「耐震補強・・・」
 「火災感知器が義務に・・・」
 〜等々、結局は不要で高額な工事代金を請求されたりします。
・宗教・スピリチュアル系          
 「病気や不幸に乗じて勧誘、結局は寄付・喜捨を強要。壺・仏壇など購入させるケースも。」
・健康食品、サプリメント、医療関連器具系
 「ガン予防効果が・・・」「ひざの痛みが・・・」等と言って効果の疑わしい商品を売りつける。
 最近は、定期購入契約の形も多い。
・時事ネタ系:時流に応じたダマし!
 「マイナ保険証が・・・」
 「GoToキャンペーンが今なら・・・」

〜まだまだいろいろなパターンは有りますが、いずれにしても理解力や判断力が落ちている高齢者をターゲットに、このような怪しげな連中が(同居していないご家族が想像する以上に)跋扈していることは知っておきましょう。
大抵の場合、高齢の親がダマされて、初めて高齢者を取り巻くダマしの実態を知り・・・「後の祭り」ということになってしまいます。
とにかく、自分の親を取り巻く悪質来訪者の状況だけでも確認しておきましょう。

(つづく)

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posted by 隊長 at 10:35| Comment(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年03月09日

「ヒマ・女性・見栄」・・・だまされる高齢者の代表的キーワード!

👀 高齢者が金融機関にだまされるケースには、共通する特徴が存在します。
それをキーワードとして頭に入れて置くことは、被害に遭わない為に重要です。

<だまされる高齢者のキーワード@:「ヒマ」!>
金融機関にだまされて退職金で投信などを買わされてしまう高齢者の特徴として、定年で引退したり、引退まではしなくても、嘱託などの雇用形態となり、時間に余裕ができた方が多く見受けられます。
現役時代は忙しいので、金融機関など相手にしていられなかった。(だまされずに済んでいた。)
ヒマになったことも有り、金融機関の職員と頻繁に接触を持ってしまいがちです。
人間というものは頻繁に会う機会がある人ほど親近感を感じるようになります。
そして、最終的には、心理的に断わり切れなくなり、勧誘に乗ってしまい、だまされてしまいます。
営業マンが無駄に思える訪問や電話を繰り返すのは、このような効果を狙っている面も大きいのです。

<だまされる高齢者のキーワードA:「女性」!>
金融機関にだまされてしまう要因の一つに、金融機関の女性職員の戦力化があります。
少なくともバブル期までは、リスク商品の多い証券会社でさえ、カウンターレディは、公社債投信などのリスクの低い投信までしか扱わないものでした。
それが今では、銀行でも女性職員が仕組み債や投信などリスク商品をドンドン薦めてきます。
男女平等の時代ですから当然なのですが・・・
女性職員は、そんなことをしない時代をずっと生きてきた高齢者にとっては、金融機関にだまされる大きな要因となっています。
だまされた老人に聞いてみると〜
「自分の娘のように優しくしてくれた女性職員が薦めたのが、まさかこんなリスクある商品だったとは・・・」
「男の営業ではないので、つい心を許して信用してしまった・・・」
〜といった声が後を断ちません。
詰まる所は、「自己責任」ということなのでしよう・・・
しかし、若い人でも笑っていられませんよ。
やはりギラギラした男の営業なら注意することでも、女性の優しげな営業には、だまされてしまうのは、世代を問いません。
どの金融機関でも、そのような女性の特性を活かすように、特に、高齢者向けの営業に積極的に登用しています。
くれぐれも、だまされないよう気を付けましょう。

<だまされる高齢者のキーワードB:「見栄」!>
金融機関にだまされてしまうもう一つ別の要因として
「見栄」があります。
特に高齢者になってから退職金の運用などで金融機関を積極的に利用することとなった方に、良く見受けられます。
金融機関は、儲けるために〜
「お客様には、これ位の額が普通・・・」
「統計での平均額は・・・」
〜などと言うことが多いものです。
これも、金融機関の常套手段です。
皆様に覚えておいて欲しいのは、ピンとキリの差が激しい金融関連の統計において、平均額はあまり当てにならないということです。
例えば、「平均貯蓄額が1500万円」などというデータがあったとしても、決して単純に信じてはいけません。
このような場合、億を超える貯蓄を持つ少数の高額貯蓄者の存在が、著しく平均額を押し上げるものです。
金融機関は、そんなことは承知の上で「平均額」を使用してきますので気を付けましょう。
ちなみに、そのようなデータを金融機関に提示された場合、「中央値」を聞いてみましょう。
一目置かれることまちがいなし。
その上、金融商品に関わるデータの場合、中央値の方が適切な場合が殆んどです。
平均値を提示しておいて中央値も知らないような金融機関職員はアホなので相手にしない方が良いです。
私たちは、商品選択の際に「松・竹・梅」があった場合、とりあえず「竹」を選んでしまったりしてしまうものです。
金融商品の選択においても、寿司でもないのに〜
「平均額は・・・」
「普通は・・・」
〜などという金融機関のデータをを気にして、見栄を張ってしまいます。
特に、退職金などで手持ちにゆとりのある高齢者にこのような傾向が強いので、くれぐれも気を付けましょう。




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posted by 隊長 at 14:44| Comment(0) | 金融機関ダマしの構図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする